新「操体法・実技入門」3


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応用(簡略)操法1

ぼくが応用的に使っている操体法をいくつか紹介します。

この応用簡略操法では、操体法の基本中の基本である「相手に快・不快を尋ねる」ということはしません。

 

主に相手の体の勢いが止まっている歪み部分、ボディーワーク的にいえば身体のブロックされている部分を、視覚と共感的体感(相手の体の歪みやブロックを自分の体でトレースするように感じる)で感じ取り、その部分のエネルギーを開放する目的で使用することが多いです。

身体のブロックを開放する手法としては、バイオエナジェティックスやロルフィング、ライヒアンなどのワークがありますが、操体法も使い方次第では、それらのワーク同様な使い方が可能だと思っています。
(もちろん”深さ”というレベルでは対症療法的な使い方になってしまいますが、時に深く著効を示す場合もあります)

 

操法前後の触診で身体の変化を確認することもありますが、いくつかの操法では相手の体の勢いや歪み、ブロックの変化を視覚と共感的体感で確認するだけのものもあります。

 

1.ふくらはぎの凝り

ふくらはぎに、表面(皮膚や皮下組織)がパンパンに張っているような凝り、または表層は澱んでいて内部の筋肉が張り詰めている凝りがある場合、体全体が重くダルく感じます。
(慢性的になると、その重さダルさが当たり前になってしまい、それらの感覚すらなくなります)

体の重さダルさは、行動力の低下や行動範囲の狭さをともなっていたりします。

 

ほとんどの場合、操体法で有名な「膝裏の凝り」も触診で確認出来ます。

 

このようなふくらはぎの凝りや膝裏の凝りがある時に、同時に肩や上胸部に緊張やブロックが感じられる場合は、肩をすくめる操法をやってもらいます。

 

肩をすくめる

相手の膝裏やふくらはぎを触診したら、相手の方に膝を進めて相手の両手首を優しく掴みます。

 

応用操法1 膝裏の凝り・触診

 

応用操法1 肩を上げる

 

この時点では、ただ両手首を把握しているだけで、どの方向にも力はかけていません。

 

そして、相手の人に両肩をすくめてもらいます。

相手の人が肩をすくめはじめたら、それにつれて把握している手首が相手の頭の方に移動しはじめます。

その動きに反するように、とはいえ相手の動きを止めたり邪魔しない程度の抵抗を与えながら、その動きについていきます。

 

肩をすくめる動きを促す時は、例えば。

 

「肩を耳に近づけるように、ムギュ〜っとすくめてみて」と語り掛け。

一番肩が上がったところでひと息待ち、「はい、ストンと全身の力を抜いて」と促すのもよいです。

相手の人にやってもらうのは。

 

1.肩をすくめる
2.ストンと力を抜く

 

これだけです。

 

ほとんどの場合は一度だけでよいですが、相手の人がもう一度やってみたそうだったら、もう一度やるのもよいです。

終わったら、再度触診してみましょう。

 

肩や上胸部に緊張やブロックがある場合は、これだけで膝裏の凝りやふくらはぎの張りが取れます。

何も変化がない時は、あっさりサックリと諦めましょう。

いたずらに深追いしてはいけません。

 

いずれにしろ、やってもらうのは

 

1.肩をすくめる
2.ストンと力を抜く

 

これだけですから、リターンの大きさに比べればリスクはないに等しいです。笑)

 

この「肩をすくめる」で膝裏やふくらはぎの凝りが取れるのは、肩の動きで微妙に足も動く全身の連動機能を利用している訳ですが、肩をすぼめて耐えたり頑張っている緊張と足の凝りが関係するというのは興味深いですよね。

 

 

腰を浮かす

これは操体法の代表的操法「つま先上げ」の連動を利用した対症療法的使い方です。

 

膝の裏やふくらはぎを触診した後、相手の人から手を放し、

 

1.ちょっとだけ腰を浮かして
  (ひと呼吸置き)

2.はい、ストンと力を抜いて

 

これだけです。

 

手持ち無沙汰だったら、相手の人の両膝に手を置き、腰を浮かす際に相手の膝が操者の方に若干動いてくる動きに抵抗を与えてもよいです。

この動きは、動きに対して相手の人の体重という負荷がかかっていますから、必ずしも抵抗は必要ではないです。

 

動いてもらった後は、再度触診してみましょう。

この「腰を浮かす」動きは、一度やれば充分なのではないかと思います。

けっこうアッサリと凝りが取れていることが多いです。

 

凝りが取れていたら、相手の人と一緒に「え゛〜、なんでこれで凝りが取れるのぉ〜?」とビックリしましょう。

ちなみに、たまに何も変化がない時もありますが、その時はアッサリと諦めます。

そして次の手を考えましょう。(^^)

 

 

 


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