新「操体法・実技入門」2
共感するコツ
「共感するコツ」というのは、厳密にはかなり見当外れなタイトルです。
共感とは能動的にするものではないのですから。(^^;
相手の人に興味を持ったりや関心を向けた時点で、共感は既に起こっています。
共感というか共振というか……。
たぶん、共感していることを意識する、というのが正しいのだと思います。
チューニングは既になされていますから、後は自分の体を通して感じる、気分や感情、感覚などを意識します。
問診時
問診時には患者さんの話している内容で、実感的でピンと来るものがあれば、それにフォーカスを当てるか、または覚えておきます。
そして、タイミングを観ながら、会話の内容を実感的でピンと来たものだけに集めていきます。
こうして、会話の内容を実感あるものだけにフォーカスしていけば、現在の患者さんのリアリティーある実感的状況をより明確に把握することが出来、スムーズに実際の施術に入っていけます。
また、患者さん自身の実感(症状や情動)と頭(思考)での認識に食い違いやズレがあることはけっこう多いのですが、この問診のプロセスでその実感と認識のズレの幅が狭まれば、それだけで体の勢いや澱み加減、症状などが変化したりもします。
施術時
施術をはじめてしまったら、実際に相手の体に触れている訳ですから、共感、共振の度合いは問診時より更に高くなっています。
特に意識せずとも、感覚は共有しているものと思っておきましょう。
ただ、問診時とは異なり。
共有している気分や感覚、感情は、体の中に感じるというより、もっと拡がりを持ったものとして感じます。(ぼくの場合は)
施術のノリ、スピード、リズム、ムードや実感の深度も、共感、共振しているので、患者さんや患者さんの状況によって、毎回違うものになります。
特にフォーカスを当てたい場所などは「妙に気になる」といった感じでやって来ますし、手技の選択も「思い付く」ことでやって来ます。
ピンと来るものがやって来ない場合は、患者さんの体を眺めながら、やってみたい手技を思い浮かべてピンと来るかどうか自分の実感を確認します。
これが、自分が今食べたいものを感覚的に探す作業にとっても似ているのです。
合わない時は即座に「うわ、ダメじゃん」と感じます。(^^;