「胸腹の訓」の手技は、受け手は基本的には仰向けが良いと思われますが、座位でも可能です。
導引口訣鈔では「撫でる」「さする」が多用されており、「〜より手を當て〜を越し〜に至る」等の表現がみられるので、文章からは実際の手技は基本的に一方向への「撫でる」「さする」だと思われます。
ですが、口訣鈔では手技での補瀉(摩=補、按=瀉)は重視しますが、経絡の流注方向やそれによる補瀉の記述も見当たらず、経絡は専ら身体部位名を表すとものとして使用されており、ひょっとしたら往復的に「撫でる」「さする」手技を用いるのも許されるかも知れません。
(実は、個人的には往復的「撫でる」「さする」手技で実験中)
原文:
缺盆骨 より手を當て、任脉通り璇璣 、天突 を越し左の腋下 に至る。(數片摩つ)
- 缺盆骨:鎖骨。
- 摩つ(谷口版※では「
摩 づ」と表記):撫でる。 ※谷口版:大黒貞勝編著『導引口訣鈔 (附)按腹図解』谷口書店 に附されている原文写し
原文:
乳 の上膺窓 の位より手を當て、膻中 の上玉堂 の位を越し摩て、左膺窓を越して摩つ。
3.右の胸、「
原文:右の
肋 食竇 より手を當て、中庭を越し左肋 食竇を越し摩つ。
4.肋骨の下、左の「
原文:
肋下 腹哀 を越して肉を分る。