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寒さと体のダルさ、澱み







昨日今日と寒いですね。

陽気が芽吹いているこの季節、これだけ寒いと体表から発散されるべき陽気が、体表で閉じこもってしまって澱むことが多いです。
ひどい時は、皮膚や皮下組織が生ゴムのようにべっとり張り付いているような感じになります。
(これも凝りと呼んでいますが)このような表層の凝りが、下肢、特にふくらはぎ部分にみられると、体全体が重くダルくなります。

実際、昨日や特に今日来た患者さんのほとんどすべてがそんな凝りになっていました。
指揉み時、感覚が体外に拡がる患者さんもほとんどいません。
これほどおしなべて体表が澱んでいる患者さんばかりというのも、近年稀にみるほどの珍しい現象。

中には、感覚がものすごく繊細で、指揉み時には、細かい霧のように感覚が体外広く拡がっている患者さんも、今回は体表が澱んでおり感覚が閉じこもっています。
「体、重くてダルイでしょ」と聞くと、「当然でしょ。指揉みのあの感じもぜんぜん感じないんだから」と、当然のように答えました。
なるほどです。(^^;

あまりに似たような患者さんが続くので、これはひょっとしてぼく自身の感覚が鈍くなっていたり、体表が澱んでいるのではないかと思い。
いつものチェック箇所、ふくらはぎと腕の三角筋あたりの皮膚や皮下組織の弾力を確認してみるも、いつも通りの弾力。
(ふくらはぎ=行動力、三角筋=自己防御、みたいな感じ)
ひとりで感覚を体外に開いてみるも、これまたいつも通り。

やはり、この季節でこの寒さ。
体はビックリしてしまいますよね。

前に書いた「春の体のダルさを解消する」が参考になると思うので、興味のある方はそちらもどうぞ。

エネルギー感覚

按摩師、マッサージ師にとって感覚は、相手の人を理解、把握するための強力な道具です。
その道具は、治療の濃度や深度にダイレクトに影響します。

指揉みのやり方をちょっと変えたら、拡がりや情動エネルギーがまるで手で触れられるように感じるようになったのですが、これは何も「エネルギーがわかる」といったものではないと思います。

ぼくの感覚を通して感じていることの密度が増した、みたいな感じ。

基本的に治療に対する感想などは聞かないのですが、時々「なに?これ?」とか「前と違う」といった反応をする繊細な患者さんもいます。
ですが、意識的には違いを感じていない患者さんが大半です。

もちろん、違いを感じてくれた方が「やっぱりわかっちゃいます?」的なうれしさがあるのですが(^^;、基本的に、こちらの治療プロセスの感覚的理解が密度を増した、ということの方が大切なのでした。

もちろん、治療プロセスの感覚的理解が密度を増すと、結局それは施術深度の深まりや治療結果にも影響します。

以前から、「体は各自の想いが現実化物質化したもの」というイメージがあるのですが、それをより強く感じている今日この頃。
指揉みの空間から按摩に移行する時、指揉み時の感覚を携えたまま身体各部に触れるのですが、患者さんの身体や感覚空間が、前以上に繊細で壊れやすい、愛おしいものに感じられるのです。

エナジーワークとしての指揉み

ひょんなことから、「やっぱり指揉みはエナジーワークなのだ」と理解出来ました。
これまでも、そういった側面の強い働きかけなのだとは思っていたのですが、やっとズッシリとした手応えを得た感じです。

キッカケは、足の小指をぶつけた患者さんを指揉みしていた時のこと。
指揉みの最中、掴んでいるこちらの指をねじったりズラしたりすると痛みが走ると言います。
いつもは、指揉みをしながら時々指をひねるようにしたり、揉む(揺らす)指のベクトルを時々逃がしたりしながらやっていたのですが。
この日は、患者さんに痛みが出ないように、把握したこちらの指を動かさず一定の状態にしたまま揉んで(揺らして)みました。

その一定の状態で揉んでいると、揺れが同調してくるにつれて、こちらの体の中に鬱屈したようなエネルギーが高まってきます。
いつも、相手の指をねじるようにしたり揉む動きのベクトルを変えていたのは、この高まるエネルギーを腕や手から体外に逃がすための、ぼくの無意識の動きだったのでした。
(今までまったく気づいていませんでした (^^ゞ)

こちらの体内を上に上昇するようなエネルギーを、手を通して逃がすことなく揉み続けたあとに、揉む動きをスッと止めると。
今まで以上に、エネルギーの余韻が強く感じられます。

この一連のエネルギーの動きや流れは、ブレスセラピーなどで生じる、感情ネネルギーの流れとほぼ同様です。

指揉みの動きを止めた途端、患者さんが「なにこれ」と言います。
今まで以上にエネルギーの流れが強くて、体内でブロックされている箇所もリアルに感じ、感情もともなっているとのこと。
リアルに詰まりが感じられたり感情をともなっていることなどで、ちょっと気持ち悪そうでしたが、ブレスセラピー等の経験上「全部の指が終わって伸びをすれば、スッカリ消えるから」と言っておきました。

実際、伸びをしてもらった後は、体のゆるみ方が今までとは比べものにならないくらいゆるんでいます。
詰まり感は多少残っているようでしたが、それらは按摩で解消。

全行程終わったあとは瞳がキラキラ輝いており、本人も視界がクリアーになったと驚いていました。

その後の治療でも検証してみたのですが、上記のように指揉みをした時。
動き出すエネルギーを手から逃がさずにぼくの体内を通してその動きを眺めていると、ほとんどの場合、体の上方へと抜けていきます。
そして、そのエネルギーの流れは強さや滞り感をともなっているのですが、上方に抜けていくと、そのあとは感覚が体外へと大きく拡がり、心地良い静けさに包まれます。

まだまだ検証中といった段階ですが、ようやくベータ版から正式版または正式版準備バージョンになった感じです。
指揉みをはじめてから20数年、「やっとここまできたか」と、ちょっとしみじみしています。^^







共振する指揉み

指揉みをしていると、自然にこちらと相手の波紋のハーモニーになります。

それは、相手の指に触れた瞬間にはじまります。
指の感触、その弾力から生じる周囲への波紋の拡がり。
それとぼくの指の弾力から生じる波紋が、共振して生じる波紋。

指から揺らすように揉みはじめると、揺れの波紋にリズムや強さ、衝動に似たエネルギーが乗っていきます。
あとは、それを眺めるように指揉みを続けるだけ。

以前は、その波紋や衝動に似たエネルギーを中心に感覚のフォーカスを当てていたのですが、
最近は、まず丹田に心(意識)を置き、そこからそれらを眺めるように感じています。

揺れのリズムや強さ、衝動のようなエネルギーは、丹田を通して丹田から生じ、流れ、拡がり。
以前は、波紋の拡がりや衝動に似たエネルギーなどに、その時々で感覚のフォーカスを振り向けていた感があるのですが。
今は丹田または丹田の少し後方から、広角レンズで眺めるように感じられます。
安定感。(^^)

とはいえ、こうして安定してきたのは昨日くらいから。
それまでは、フォーカスの当て方がぎこちなかったり、フォーカスの当て方がわからなくなって途方に暮れたりもし。
なにはともあれ、ひとまずの落ちつきどころが見つかって、ひと安心です。

フォーカスの当て方を変えてから、以前よりも波紋や衝動に似たエネルギーを色濃く感じるのですが。
感覚の繊細な患者さんは、こちらが何も言わなくても感覚をフィードバックしてくれます。
「あ、今、肩と首の詰まりが……」など、こちらが感じている衝動のようなエネルギーの流れと同様な感想を言ってくれたりし。
共振している感覚がお互いに共有しているものだと、ある程度チェック出来るので有り難いのです。

ほとんどの患者さんは特に何も言いませんが、その辺はこちらの手応えと体の変化具合で判断。
マッサージの成果結果は、患者さんの言葉よりも何よりも、患者さんの体の変化で把握するのが一番なのです。

Tags: 丹田, 共振, 意識, 感覚, 指揉み

指揉みの練習(ひとりで)

ひとりで指揉みの練習をしようという人は、たぶんいないのではないかと思います。
ぼく自身、朝一番の治療前に、たまに体をゆるめるためにちょっとやることがあるくらいですし。

でも、丹田を意識するようになってから、ちょくちょく短時間やるようになりました。
朝、体を目覚めさせるためにいろいろ伸びをするのですが、たまに体が冷えていたり澱んでいたりすると、体から「伸びたい」という内発性が出てこないことがあります。
こんな時に、この指揉みの練習をやると、短時間でも体が暖まって自然に「伸びをしたい」という欲求も湧き出してきます。

やり方は簡単。
正座の場合は、座って上半身の無駄な緊張をゆるめ、丹田あたりに呼吸をいれてお腹や横腹、腰の皮膚が吸気とともに軽く膨張して張る感じを意識します。
そして、丹田から体を上下にリズミカルに揺らします。

丹田を意識する前は、丹田を前に押し出すように揺らしていたのですが、丹田を意識するようになってからは、丹田を真下に押すように揺らしてます。
この方が重心が落ちてよい感じです。

小刻みに揺れたり、ちょっと大きめに揺れたり、体の感じに任せて揺らしていると気持ちよいです。
(実際に患者さんに指揉みをやっている時は、体や揺れに任せています)
やっているうちに、体を横に、ヘビのように背骨ををうねらすように揺らしたくなったりしたら、そうします。
また、伸びをしたくなったり、縮めたくなったら、積極的にやってみます。

気持ちよい伸びが出てくると自然にアクビが出、終わった時には顔中涙でぐしょぐしょになるので。
必ずタオルやティッシュを用意してます。

床での治療の場合は、上記のように正座して指揉みを行いますが、普段の治療は治療用ベッドでやってますから、立った状態で行います。
この立った状態での指揉み練習は、気功の鍛練法である馬歩にちょっと似ています。

立って膝を軽く曲げ、上半身の無駄な緊張をゆるめて、丹田から体を上下に揺らします。
これで手の平を下に向けると、馬歩とほとんど同じ。
ですが、正座の時と同様に、からだをうねらせたり伸びがしたくなったら、積極的にそうしちゃいます。

時間などは超テキトー。
やりたくなった時がやりたい時。
やめたくなった時がやめる時。