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人生の転機と按摩







昔、お母さんと一緒に来ていた女子高校生だった患者さんが、いつの間にか若奥様になって久しぶりに来てくれています。

今回来始めた時は、身も心もボロボロ状態。(^^;
もちろん体も閉塞的になっていて、身体表層は弾力に乏しく澱んでいました。
どうやら人生の一大転機に遭遇していた模様。

身体全体に渡る表層の澱みもさることながら、特に下肢部分の澱みは根深くて……。
この状態では、体全体が重くてダルイだけではなくて、日常生活も重い体を引きずるような感覚だと思われ。
当然ながら、思考や精神生活も陰鬱極まりない状態だったと思います。

そんな時に按摩に来てくれて。
そのボロボロの体に触れられることが、本当に有り難かったです。
悲鳴を上げることさえ諦めたようなその体に、なんとか精気を取り戻してもらえるから。
按摩さんは、いつだって体の味方なのです。

一枚一枚澱みの皮を剥ぐように、まるで仮死状態のような表層の感覚を呼び覚ますように按摩を続け。
徐々に澱みもピークの半分近くなった頃、人生の転機もピークを迎えたようでした。

そのピークも、笑いながら報告出来るほど心身ともに余裕が生まれ。
治療師という第三者から見れば、そのピークは新たなる出発、スタートとも思える出来事だったのですが。
本人曰く「マッサージに来ていなかったら、絶対刃傷沙汰になって新聞に載っていたはず」という出来事だったらしいです。

「肚を据えられた体」は、そのピーク前後の内容でした、実は。

仕事が休みの週末には、土日と二日続けて治療に来ることもありましたが、今日は全体の澱みも1/3か1/4にまで減少。
ここまで来ると、感覚がかなり開いて来て、マッサージするこちらの手を、相手の体が受け容れている感じになります。
マッサージされている感覚を、食べるように吸収している感じ。
推す指の、その感覚が、体の中に浸透するのがリアルに感じられます。

もちろんこんな時は、「感覚が染み込んでくるように気持ちいい」という反応が返ってきます。
ふぅ~。
やっとここまで来ました。
安心、安心。(^^)

寒さと体のダルさ、澱み

昨日今日と寒いですね。

陽気が芽吹いているこの季節、これだけ寒いと体表から発散されるべき陽気が、体表で閉じこもってしまって澱むことが多いです。
ひどい時は、皮膚や皮下組織が生ゴムのようにべっとり張り付いているような感じになります。
(これも凝りと呼んでいますが)このような表層の凝りが、下肢、特にふくらはぎ部分にみられると、体全体が重くダルくなります。

実際、昨日や特に今日来た患者さんのほとんどすべてがそんな凝りになっていました。
指揉み時、感覚が体外に拡がる患者さんもほとんどいません。
これほどおしなべて体表が澱んでいる患者さんばかりというのも、近年稀にみるほどの珍しい現象。

中には、感覚がものすごく繊細で、指揉み時には、細かい霧のように感覚が体外広く拡がっている患者さんも、今回は体表が澱んでおり感覚が閉じこもっています。
「体、重くてダルイでしょ」と聞くと、「当然でしょ。指揉みのあの感じもぜんぜん感じないんだから」と、当然のように答えました。
なるほどです。(^^;

あまりに似たような患者さんが続くので、これはひょっとしてぼく自身の感覚が鈍くなっていたり、体表が澱んでいるのではないかと思い。
いつものチェック箇所、ふくらはぎと腕の三角筋あたりの皮膚や皮下組織の弾力を確認してみるも、いつも通りの弾力。
(ふくらはぎ=行動力、三角筋=自己防御、みたいな感じ)
ひとりで感覚を体外に開いてみるも、これまたいつも通り。

やはり、この季節でこの寒さ。
体はビックリしてしまいますよね。

前に書いた「春の体のダルさを解消する」が参考になると思うので、興味のある方はそちらもどうぞ。