經脉に孫絡そんらくなど云て、筋すぢ骨こつ、ほね皮肉ひにく、かはししの間にたとへば藕絲ぐうし、はすいと絲瓜しくは、へちま等の如く、縦横じうわう、たてよこに筋すぢあつて、氣血の通路也。
是閉結とぢむすぼれ、万病を生す。
手に覚へ扱あつかひ解とくを第一の習ならひとす。
委くはしく本文に見えたり。
肉の中に分理ふんりとて隙ひまあり。
幾重にも分かるる也。
是を隊たいと云ふ。
譬へは蜜柑みつかんなどの類をみるに皮肉ひにく核さねの中ち、皆分理あるが如く、又魚鳥きょてう、うをとりの肉なとを割さき見へし、一片一片に分わかるるにて知るへし。
其の中に藕絲あり。
浮絡ふらく孫絡そんらくなど云是也。
藕絲むすぼれ肉閉とつる事あり。
内経だいきやうに巻肉けんにく縮筋しゅくきんなど云り。
其の肉を扱ひ療すること、結たる絲いとを解とくが如くわけさばくを分肉の術と云。
藕絲まとひ結れたるをとくは、毛氈もうせん蚕かいこのまいなどを解とくか如する手法あり。
是れ解結の術也。
又経筋むすぼれよるる事有り。
元結もとゆひなどいく筋もつかね合あはせたる如く、堅かたまりたるは、指を其の間に入れ分る也。
又一筋づつ解くこともあり。
又動し散ちらすやうにもする。
麻などを振とけば悉くさばくる心也。
或は前後左右せんこさゆう、まへうしろひたりみき、経肉けいにくの順逆に随ひくつろけ解とく可し。
爰ここに垣かきの一方を見ると云習ならひあり。