CENTER:・''[[導引口訣鈔テキスト・トップ>導引口訣鈔テキスト]]'' ''１'' ''[[２>導引口訣鈔テキスト２]]'' ''[[３>導引口訣鈔テキスト３]]''
#contents
~
RIGHT:参考：[[京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫セレクト 導引口訣鈔:http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/fs2/fs2cont.html]]
#br
夫れ無病長生にして、諸人の苦しみを救わんと思わば、専ら導引按摩すべし。~
然りと雖も正しき&ruby(おしえ){訓};をうけずんば、良能に至りがたし。~
かるが故に古今導引集を撰んで、其の要をあらわす。~
読誦工夫すべし。~
心に得て手に及ぼす&ruby(わざ){業};なれば、詳しく述ぶるを能わず。~
今先師の&ruby(ことば){言};を俗字に綴り、&ruby(いささ){些};か初学の為にす。~
僅かに便りとも成らんかし。~
後裔此の&ruby(みち){術};に通暁して鍼灸薬及びがたき&ruby(うれえ){患};を救い、齢を千歳に延びる者あらば、是れ予が願う処なり。~
~
''宝永の頃早苗月、武江の侠客 養陽子''~
''筆を普齋の益壽軒に染むる者なり''~
~
*導引口訣鈔目録 [#od681342]
導引根源の訓~
按摩人を選ぶの訓~
養生按摩の訓~
藕糸の訓~
分肉解結の訓~
胸腹の訓 附任脉~
手肩頸を扱~
喉笛を扱~
胸腋肋を扱~
胃の府を扱~
骨節を動かしくつろげる~
玉子骨を扱~
脊骨を扱~
腰骨を扱~
寛骨横骨を扱~
足を療し扱~
~
諸病~
小児 疳 驚 亀胸 亀背の類~
六府の病五臓に移す肝を治して胆の病癒~
六府より五臓に移す病症~
鍼灸薬撲法~
錬金丹の術~
行気の法~
~
目録終~
~
~
*導引口訣鈔巻之上 法橋養陽子著 [#oe28d3c8]
*導引根源の訓 [#c1f036a8]
ある人問う。~
諸々の病いずれが根本原因なるや。~
曰く。~
つかえ滞るによりて起こるなり。~
~
また問う。~
治術いくばくありや。~
曰く。~
鍼灸薬按摩&ruby(しゅくゆう){祝由};の五法のみ。~
ひとつも捨つるべからず。~
たとえれば水が祖なれば火木金は無用の物、心が主なれば肝腎脾肺はなくてもと云い、薬専らなれば鍼灸按祝に及ばずとて、捨つる同じ&ruby(こころ){意};なり。~
世俗は一見になずんで、薬&ruby(しるし){験};なければ定業なりとす。~
養生に志深くば、五法ともに奥義を究め明らむべきなり。~
~
~
&ruby(へんじゃくでん){扁鵲傳};に云わく。~
垣の一方を見る、&ruby(ずいをただし){髄を搦し};、&ruby(こうをとり){荒を採り};、&ruby(まくにつめし){幕に爪し};、&ruby(ちょうをあらう){腸を洗う};と云う。~
~
澄相公云わく。~
無病長命、虚を実と為し、老を少しなす。~
~
両公の述ぶるところ、按摩の根源究};&ruby(きわま){り約せり。~
能く工夫すべし。~
~
垣の一方を視るとは、&ruby(ほか){外};を見て内を知るぞ、洞に病状を覚り知るなり。~
&ruby(ずいをただし){髄を搦し};、&ruby(こうをとり){荒を採り};、&ruby(まくにつめし){幕に爪し};、&ruby(ちょうをあらう){腸を洗う};とは、&ruby(にくすじ){肉筋};を扱い、骨髄を療するの&ruby(わざ){業};なり。~
&ruby(ほんもん){本文};に&ruby(ほぼ){畧};註釈するところなり。~
是れを見て鍛煉すべし。~
~
澄公の無病長命と云いたるは、常に按摩すれば、諸病&ruby(おこる){發};ことなく、若し&ruby(やまい){病};&ruby(おこる){発};と雖も教えの如く行えば、則ちいゆべし。~
&ruby(けいしゅくや){稽叔夜};養生論に云る如く、導引すれば神仙に至らざれども、千載をば&ruby(たもつ){持};可しとなり。~
なさくとも、六七百歳は保つべしと云う。~
~
&ruby(おい){老};を&ruby(わかく){少};なすとは、老ぬれば、肉&ruby(むすぼれ){結};皮こがし筋枯れ骨かたくなる。~
&ruby(あんきょう){按喬};をなし、骨を砕き肉となせば、痩せおとろえず、筋骨うるおい、老衰たりとも、若くなる事疑いなし。~
~
已病を治さず、未病を治すとは、平生無病成る時、已に病に望める如く養生すべし。~
病を得て治おすなば、&ruby(いくさ){軍};を見て矢をはぐなり。~
この心得肝要なり。~
~
*按摩人を選ぶの訓 [#u161eca2]
黄帝問って曰く。~
或いは導引行氣、喬摩、&ruby(きゅううつ){灸熨};、&ruby(しせい){刺焫};、飲薬有り。~
之れ一なる者&ruby(ひとり){獨};守るべけんや。~
はた之を悉く行なわんや。~
~
&ruby(きはく){岐伯};答えてもうさく。~
諸方は衆人の方なり。~
一人の悉く行う所に非ざるなり。~
此れ乃ち所謂、一を守って失うことなかれば、萬物おえる者なりと云う。~
~
右の文意に依れば、前聖道統の心法なれば、その職を専一にすべし。~
無学にては至り難し妙処と見えたり。~
導引を最初にいへるは、療術の肝要たる故なるか。~
~
また黄帝曰く、気血をおさめて而も諸々の逆順を調え、陰陽を察して而も諸方を用い、節を緩げ筋を柔らかにす。~
而して心和利なる者の導引行氣せしむべしと言う。~
~
右の文意を考うるに、智能全く備わり醫道の根元に通達し、兼ねて諸道を明らかにし心躰共に和順なる人を撰んで&ruby(おしえ){訓};べきとなり。~
浅き智恵にては専門に至りがたし。~
不學無能にして奥義を究めず。~
妄りに行わば、小刀細工なり。~
此の道の宗匠と云いがたかるべし。~
~
CENTER:・''[[導引口訣鈔テキスト・トップ>導引口訣鈔テキスト]]'' ''１'' ''[[２>導引口訣鈔テキスト２]]'' ''[[３>導引口訣鈔テキスト３]]''
![[PukiWiki]](image/pukiwiki.png "[PukiWiki]")
