CENTER:→あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する国会会議録

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*143-参-国民福祉委員会-3号 平成10年09月17日 ~ [#s2693a1d]
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   ……略……~
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''○堀利和君''~
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 次に、少し話題、質問が変わりますけれども、私自身視覚障害者でございまして、最近、我々視覚障害者にとってこれまで伝統的な職業、生業とでも言うべきはり、きゅう、マッサージにかかわることについて不安材料がありまして、そういう意味では将来安心できるようなことになればということで取り上げさせていただきます。~
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 その前に、まず一般的に申し上げれば、金融なり経済は今後グローバルスタンダードということで規制緩和、自由化が進む、またそうしなきゃいけないとは思いますけれども、事人権とか命とか福祉、環境にかかわっては、私はむしろある意味で規制を強化することも必要ではないかと思います。~
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 取り上げる問題としましても、保健、医療の分野にかかわっては、さまざまなある意味での規制というのも私は必要だと思います。~
それはやはりサービスを提供する側の、従事者側の技術も含めた資質の維持向上、このためにもきちんとしたやはり枠組みといいますか、規制が必要でしょうし、同時に今後の需給バランスを見た上でも安定した供給体制がとれるようにというふうにも思いますけれども、この点について、保健、医療の分野でどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ~
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''○政府委員(小林秀資君)''~
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お答え申し上げます。~
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 御指摘のあんま、マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師にかかわるサービスの質の確保につきましては、当該職種が古くから国民に親しまれてきたものでありまして、今後とも国民のニーズと信頼にこたえていくことが大切であるという観点から重要なものであると認識をしているところであります。~
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 また、当該職種の今後の需給バランスに関しましては、当該職種に従事する者が過剰になり、過当競争により経営の不安定化及び施術の低下を招くような事態が生じることは望ましくないことと考えているところであります。~
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''○堀利和君''~
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国民の側からすれば、質の高い充実した施術、サービスというのを当然受けるようにしなきゃなりませんけれども、やはりそういった質の高いサービスを提供する側の立場をきちんとすることがまたそういう質の向上につながると思います。~
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 そこで、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、実は第十九条というのが重要な条文としてございます。~
それは、先ほど申し上げたように、視覚障害者にとってはほとんど唯一とも言えるような生業としてはり、きゅう、マッサージ業があるわけです。~
これは、ある意味では身勝手なと言われるかもしれませんけれども、視覚障害者の側では、この技術を発展しながら自分たちの職業として守っていかなきゃならぬ。~
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 これが、今申し上げた法律の十九条では、最近、特に目の見える方々の参入というのもあるものですから、その辺のバランスというのは非常に問題が難しいんですけれども、十九条では、丸めて一言で言えば、文部大臣または厚生大臣は、視覚障害者のあんま、マッサージ、指圧師の生計維持が困難にならないよう、目の見える方、晴眼者の学校の養成施設の認定あるいは定員の増の承認、これをしないことができると。~
つまり、認定承認をしないことができるということで、ある意味で目の見える方、晴眼者の参入を制限しているわけですけれども、これはやはりサービス技術の質をある程度管理していく、そして同時に視覚障害者にとってはほとんど唯一の職業を守っていくという観点から非常に重要だと思っています。~
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 視覚障害者の方でも、この十九条を踏まえて、新たに定員増やら新設についてはいわば反対運動もしてきたわけです。~
十九条では、あんま、マッサージ、指圧に関してなんですが、やはりこの精神というものが、理念が、言うなればはり、きゅう師の新設、増員に対してもある意味でそういう拡大解釈で、あるいは運動である程度功を奏してきたわけですけれども、厚生省としてはこの第十九条について意義をどういうふうに御理解しているか、改めてお聞きしたいと思います。~
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''○政府委員(小林秀資君)''~
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御指摘のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条につきましては、視覚障害者であるあんま、マッサージ、指圧師の生計の維持が著しく困難にならないようにするため、視覚障害者以外のあんま、マッサージ、指圧師にかかわる養成施設等の認定または生徒の定員の増加の承認をしないことができる旨規定したものと理解をしているところでございます。~
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''○堀利和君''~
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そこで、大臣にぜひともお伺いしたいんですけれども、以上のやりとりをお聞きした上で、つまりあんま、マッサージ、指圧等の施術、技術の質の向上、維持、そして視覚障害者のいわば唯一の職業を生業として守っていかなきゃならぬ、こういうことを踏まえて、今後この政策運営についての前向きなお考えをぜひお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。~
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''○国務大臣(宮下創平君)''~
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今お話しのように、あんま、マッサージ師、指圧師、はり師、きゅう師等の施術は古くから国民に親しまれてきたものでございます。~
これらの業種は、視覚障害者が生計を維持する上で重要な役割を果たしてきたものであるという今のお話は十分理解できます。~
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 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律の運用につきましては、これらの考え方に配慮しながら適切にやってまいりたいと思っております。~
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 十九条は、御案内のようにはり師、きゅう師等に関する規定で、社会的規制だと私は思います。~
視覚の障害者に限って需給の均衡を図るようにという特別な配慮をしているものだと存じますので、はり師、きゅう師等には今適用されておりませんが、同じような趣旨で考えるべきものかなという感じを持っております。~
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''○堀利和君''~
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ありがとうございました。~
大変前向きな御答弁をいただいたので、大変勇気を持って今後も、一方では技術の向上、そして他方ではいわば視覚障害者の生業を守るということでまた私も頑張っていきたいと思います。~
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 次に、介護保険法との関係で、特別養護老人ホームに働くマッサージ師の身分についてお伺いしたいと思います。~
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 まず、介護保険の導入に対して反対する意見もある意味で根強いわけです。~
それは現在かなりの水準のサービスを受けている自治体の方々からの心配なんです。~
つまり、介護保険が導入されると全国一律になって、結果的に今受けているサービスが低下するのではないかという心配なんです。~
この心配は私は当然だと思うんです。~
そういう意味では介護保険法の制度、枠組みからどう考えたらいいのだろうかと。~
つまり、制度、枠組みからそこのところを十分御説明願いたいわけです。~
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 例えば、本法の六十二条では市町村の特別給付という条文の中で、市町村が特別に給付を多くするのであれば、いわゆる上乗せ、横出しをするのであれば条例でそれを定めることになるわけですけれども、その際に上乗ぜ、横出しをすれば当然財源が必要ですから、これがよく言われるのは第一号被保険者の保険料の値上げ、つまりある意味では保険だからあくまでもそういう保険料との関係で進めなきゃならぬというふうにかなり思われているんですね。~
そういう意味では、これまで地方自治体が単独でやってきた税を上乗せしてきた問題と絡んで、まずその辺の制度、枠組みについて明確に御説明願いたいと思います。~
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''○政府委員(近藤純五郎君)''~
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介護保険制度が導入後の話でございますけれども、現在、地方自治体で行っております上乗せのサービスでございますけれども、これが介護保険の導入によって直ちに行えなくなると、こういうことではなくて、これは地方自治体の判断によりましてこうした上乗せサービスは引き続き実施することが可能であるわけでございますが、その際の財源をどうするかと、こういうことでございます。~
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 一つは、先生が御指摘のように、上乗せのサービスを第一号保険料のプラスアルファの徴収によって賄う方法と、それから、もちろん自治体の判断によるわけでございますけれども、一般財源を使いましてこのサービスを実施する、こういうことも可能なシステムになっております。~
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''○堀利和君''~
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いずれにしても、保険料のアップなりあるいは税による手だてなり、そういう意味ではそれなりに道は選択としてあるんだというふうに理解したわけですけれども、保険が導入されたからこれまでやってきた自治体の上乗せ部分、単独事業がなくなってサービスが低下した、結果的に保険が導入されたからというふうにされてはやはり私はいけないと思っています。~
私は、保険をきちんとやるべきだ、介護保険は進めるべきだと思っていますので、そういう意味ではぜひ国の方からも地方自治体に対して十分御理解を得るようにお願いしたいと思います。~
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 ついては、このような関係にかかわるんですけれども、現在、特別養護老人ホームで人員の配置基準に基づいてマッサージ師が二百名弱働いております。~
その現行の配置基準を見ますと、理学療法士または作業療法士が望ましいけれども、看護婦、あんまマッサージ指圧師、こういう資格を有する者等でやってくれという、やりなさいといいますか、そういう配置基準があるんですね。~
ところが、これが同時に兼務になっておりますので、実態を調べますと、理学療法士、作業療法士はもとより、看護婦やあんまマッサージ指圧師ではなくて、特養における機能回復訓練指導を寮母さんがやっているんですね。~
私はこれは寮母さんという仕事を批判しているんじゃなくて、寮母さんが機能回復訓練指導をやっているということはいささか問題だと思うんですけれども、その実態評価についてどのようにお考えでしょうか。~
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''○政府委員(近藤純五郎君)''~
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特別養護老人ホームの機能回復訓練の指導員でございますけれども、この職種につきましては、理学療法士それから作業療法士、こういう方が一番望ましいわけではございますけれども、その施設の職員の中で看護婦さんでございますとかあるいはあんまマッサージ指圧師の方、そのほかに御指摘のように寮母のような方でこの機能回復訓練等の業務に関しまして熱意と能力がある方、これを施設長が認定をいたしましてこの職種に充てると、こういうことでございまして、現状から見るとやむを得ない措置かなと、こういうふうに考えております。~
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''○堀利和君''~
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私はやむを得ない措置というだけでは済まされないと思うんですね。~
機能回復訓練指導を少なくとも有資格者の兼務といえども看護婦さんなりあんまマッサージ指圧師がやるんじゃなくて寮母さんがやるというのは私はゆゆしき事態だなと思います。~
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 そこで、私はこの新制度へ移行する際には、現在行われているサービス、これを低下しないように速やかに円滑に移行させるということはもう当然なんですが、この件に関してもう一歩踏み込んで申し上げれば、この人員配置の先ほど申し上げた基準では「看護婦、あん摩マッサージ指圧師の資格を有する者等」で、「等」になっています。~
この「等」が結局は今申し上げたように寮母さんが機能回復訓練をやってしまっていると。~
ですから、この「等」というものを私は外すべきだと思うんです、削除。少なくとも有資格者が機能回復訓練に当たるべきだと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。~
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''○政府委員(近藤純五郎君)''~
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特養におきます機能回復訓練は生活面での訓練と、こういうことでございまして、有資格者でやる方が確かにいいことには間違いないわけでございますけれども、介護保険制度におきましても、最低基準でございます施設の指定基準といたしましては基本的には現行の取り扱いにすると、こういうことで現在医療保険福祉審議会の方でお示しをしまして御議論を願っているわけでございまして、この御議論を踏まえまして私どもは決定してまいりたい、こういうふうに思っております。~
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''○堀利和君''~
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確かに現行のサービス水準を前提に、しかも保険ですから、いわば全国公平、公正に実施されなきゃいけない、確かにそうなんですね。~
しかし、私は現行の制度においてすら問題を感じているわけですから、やはり介護保険に対する期待のある中で一歩進めていただきたいというのが私の気持ちであるわけです。~
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 実は、特養に働くマッサージ師の方からもお聞きしますと、単にマッサージをして運動療法をして機能が回復するわけはないよと、お年寄りの方とまさにスキンシップで、マッサージしながら、お話ししながら、非常に心理的にもお年寄りが和やかになっていくという意味で非常に効果もあるわけですね。~
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 時間が来ましたので、最後に大臣の御決意をお聞きしたいんですけれども、やはりそういう意味でサービスを向上させていく、せっかく保険を導入するということなら今よりもよくなったなといりことが必要ですし、先ほどのあん摩マッサージ指圧師法の第十九条のように、視覚障害者の社会的、経済的自立を進めるという意味でのマッサージ師の働く機会をふやすという観点から、ぜひ特養における視覚障害者のマッサージ師の雇用、身分というのを広げていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。~
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''○国務大臣(宮下創平君)''~
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委員の御指摘のとおり、特別な視覚障害者に関することでございますので、その趣旨を踏まえまして総合的に検討してまいります。~
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''○堀利和君''~
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以上で終わります。~
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   ……略……~
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''○沢たまき君''~
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公明の沢たまきでございます。~
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 日ごろから私は、政治家は大衆とともに語り、大衆とともに闘い、大衆の中に死んでいくという姿勢で国民生活の向上と幸せのために働いていかなければならないと思っております。~
一年生議員としてこのことを肝に銘じて頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。~
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 ただいまは渡辺先生より大臣の所信に対しての質問がありましたので、私は音楽療法士に対する専門職の認定、健康保険の適用について伺ってまいりたいと思います。~
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 音楽の特性を生かして障害者や高齢者の機能回復や健康維持を図る音楽療法が注目を集めております。~
言葉を超えて心や感情に直接働きかける音楽特有のリズムは、心の安らぎや体の活性化をもたらす効果があり、欧米では古くから取り入れられております。~
日本でも音楽療法の普及が望まれてくるようになりました。~
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 まず、厚生省はこの音楽療法士に対してどう認識なさっていらっしゃるでしょうか。~
また、関係者の方々が四十年近い長きにわたって研究されました成果についてはどう評価なさっていらっしゃいますか、まずお伺いをしたいと思います。~
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''○説明員(今田寛睦君)''~
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音楽療法につきましては、音楽の持ちます働きというものを、心身の障害の回復でありますとか、あるいは心身の機能の維持改善、あるいは生活の質の向上に活用する技法ということで、現在でも幾つかの施設あるいはグループの活動の中で取り組みが図られている、このように承知をいたしているところでございます。~
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 また、音楽療法を行う人の仕組みということにつきましては、現在、民間の任意団体ではございますが、全日本音楽療法連盟が行っている任意の認定制度というものがございます。~
平成八年に開始されまして以来現在までに二回の審査が行われておりまして百七十一人が認定を受けている、このように聞いております。~
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 この団体の資料によりますと、当該連盟の傘下にございます日本バイオミュージック学会、それから臨床音楽療法協会、この正会員であるということを条件といたしまして、認定に際しまして、音楽療法に関する知識あるいは音楽療法の臨床経験、あるいは研究発表、論文発表、こういった実績、これら一定の基準に従って審査されている、このように聞いております。~
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 なお、平成十年度の障害保健福祉総合研究事業におきまして、応募された課題の中に音楽療法に関する研究がございました。そして、ことし初めて「音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究」というものが採択されたわけでありますが、過去のこれまで積み重ねられました研究成果も含めましてこの研究班の中で調査研究されるものと考えております。~
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''○沢たまき君''~
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ありがとうございました。~
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 聖路加看護大学の日野原先生がそのバイオミュージックをおつくりになったわけでございますけれども、日野原学長は、音楽療法士は医療職としての心構えが必要である、学問その他を吸収して国民の健康のためにその技術や知識をうまく使う専門家でなくてはならないと意義づけをなさっていらっしゃいます。~
また、音楽療法士の目標は健康をつくるためのプロでなければならない、国民の健康のために、日本人の健康のためばかりではなく世界の人の健康のために自分の努力によって身につけた知識とサイエンスを用いて使命感を持ってそれを果たしていかねばならないと、音楽療法士としての高道な理念と人格の重要性を訴えていらっしゃいます。~
このように真剣に取り組んでいらっしゃる方を、今本当に局長がおっしゃったように御認識をいただいていることで、ありがたいことでございます。~
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 そこで、先ほども自民党の先生方が医療費の総額が一年間で約二十七兆円から二十八兆円、私は二十七兆円と確認しておりますが、国家予算の半分近くになろうかと思います。~
十年先には八十八兆円にも達するのではないかと言われております。~
このうちの三分の一がもちろん六十五歳以上の医療費で占められているわけです。~
イギリスのプライマリーケアのオーソリティーでいらっしゃいますジョン・フライさんは、日本人の長生きは誇るべき長生きではないと、こう定義されていらっしゃいまして、寝たきりという不幸な条件で命を長くしている、こう言っているんですね。~
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 薬物を投与していた痴呆性とか寝たきり老人に音楽療法を施すことによってクオリティー・オブ・ライフ、生活の質を高める、また当人の満足度も高まるということも音楽療法をすることによって得られております。~
ということは、これまで使われていた医療費も軽減されているということです。生き長らえるだけというところから生きがいのある医療へ転換していくことが医療費の抑制の抜本的な改革への道だと思いますが、いかがでございましょうか。~
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''○国務大臣(宮下創平君)''~
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今、委員のおっしゃるとおり、患者が人間として生きがいを持って療養生活を送ることができるというのであれば大変すばらしいことだと思います。~
そして、そのための音楽療法というものも一つの大きなモメントになるという御意見、傾聴に値すると思います。~
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 それで、患者の立場や価値観も尊重しながらそういった意味で適切な医療を提供していくということは医療の基本的な問題であろうというように認識しておりまして、医療の今後のあり方につきまして、医療費の抑制という観点だけから考えるべきものではなくて、今御指摘のような、患者が生き生きと生きがいを持って生活できるような、そして健康が早期に回復し、結果として医療費が抑制になればこれはもう大変望ましいことでございますから、委員の御指摘を参考にさせていただきたいと思います。~
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''○沢たまき君''~
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ありがとうございます。~
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 WHOの憲章では、健康とは身体的、精神的かつ社会的に完全な良好な状態にあることであって、単に疾病や病弱の存在しないことではないとあります。~
すなわち、健康というものは疾病や病弱を医学的に治療するだけではなくライフスタイルそのものの改善が重要であると。~
そのためには、医療は本来はチームワークの仕事であって個人わざではないと私は思います。~
医師だとか看護婦さんだとか社会福祉士等、歯医者さんも、プロフェッショナルが協力してチームを組んで、あるいは連携をとって患者さんのいやしに当たるのが医療の本来のあり方ではないでしょうか。~
~
 二〇〇〇年から介護保険もスタートいたします。~
諸先輩の議員の先生方がいろいろとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、今後は関係の機関が連携を密接にしてチーム医療による効果的なシステムをつくっていく、拡充していくということが大事になっていくのではないかなと愚考しておりますが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。~
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''○国務大臣(宮下創平君)''~
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医療サービスの提供は、本来、医師、看護婦初め医療関係職員が患者の立場に立ってそれぞれ専門性を発揮しながらお互いに連携を図って一体となって行われる、今御指摘のチーム医療ですね、このことは極めて重要であろうかと思います。~
~
 そして、この医療、福祉の連携がより一層これから重視されていく中で、医療関係職種間で連携を図るだけではなくて、患者の心身の状況に応じまして福祉関係職員やその他の従事者とも適切に連携を図りながら、医療・福祉サービスを受ける者が求めるサービスが提供されるような体制をつくるということは極めて重要なことであるというように考えます。~
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''○沢たまき君''~
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そのようにお考えいただけると大変ありがとうございます。~
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 昨年の三月に日本学術会議の高齢化社会の多面的検討特別委員会が「医療面、福祉面からみた高齢者のQOLと生きがい」という注目すべき提言を総理府に行っておりますが、厚生省はこの提言をどう思われますでしょうか。~
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~
''○政府委員(近藤純五郎君)''~
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御指摘の日本学術会議の報告書は昨年の三月に出されたわけでございますが、本格的な高齢社会の到来を目前に、高齢者が生きがいと高い生活の質、クオリティー・オブ・ライフを維持しながら生活ができるようにと、こういう観点から、健康、経済、生きがい、こういったものを中心にいたしまして多岐にわたる分野につきまして問題を提起したものと、こういうふうに受けとめているわけでございます。~
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 全部が全部同意見というわけではございませんけれども、基本的には私どもと同じ方向に向かっているんじゃないか、こういうふうに思っているわけでございまして、今後さらに高齢者の生きがい等につきまして私どもも努力してまいりたい、こういうふうに考えております。~
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''○沢たまき君''~
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ありがとうございます。~
その日本学術会議の提言の中でも、音楽療法士による生きがい対策の拡充が望ましいと提言をしております。~
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 平成十年度の厚生科学研究費の中で「音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究」として四百万円が計上されております。~
大変にありがとうございます。~
そこで、平成十一年度の概算要求が決定いたしましたけれども、音楽療法士についての予算はどういう方向で対応なされていらっしゃいますでしょうか。~
~
~
''○説明員(今田寛睦君)''~
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御指摘の「音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究」についてでございますけれども、十年度の障害保健福祉総合研究事業で応募されまして、その多くの研究課題の中からこのたび採択を初めてされたというものでございます。~
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 したがいまして、そこでこれまでの研究成果あるいはその意義につきましてさまざまな研究がなされるものと思われますが、この研究班の成果によりまして、私ども改めてまた評価をし、見守る必要があるのではないかと思っております。~
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 なお、平成十一年度の予算に対する取り組みということで御質問ございました。~
私ども、この総合研究事業に関しましての必要な研究費の確保につきましては最大限の努力をしているところでございますが、ことしの研究を来年度継続するかどうかということにつきましては、厚生科学研究費補助金の規定がございまして、専門家によりまして、お示しいただきます研究の進捗状況、こういったものを評価された上で、今後引き続き研究を継続するかどうかの決定がなされるような仕組みになっております。~
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''○沢たまき君''~
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伺いまして、音楽療法については局長も大分お勉強いただいたようで、大変うれしゅうございます。~
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 バイオミュージックもそれから全日本音楽療法連盟が設立されてから既にもう百七十一名、あるいは岐阜では県で音楽療法の研究所をつくって六十三名の音楽療法士の方が認定されて、百以上の施設でもう既に活躍なさっております。~
バイオミュージックの学会の方では臨床の物件も四百八十件にも上っております。~
また、奈良県の奈良市では市長みずからが積極的に取り組んで奈良市音楽療法研究会をつくって普及なさっておりますし、私もこの間、調布の総合福祉センターで音楽療法の現場を視察してまいりましたけれども、現在三十五人の知的障害児を対象に行っております。~
希望者が待機している状態でございます。~
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 音楽療法士の方は、健常者も障害者も疾病患者も平等に生きがいのある人生を送るべきで、そこには何の差別もあってはならないというすばらしい使命感で仕事をなさっております。~
しかし、大変に仕事場の働く状況は悪条件でございますし、国の資格の認定もございませんし、保険の適用もございませんし、アルバイト並みの身分で必死に頑張っていらっしゃいます。~
これまで普及するには関係者が本当にボランティアで血のにじむ研究と努力によって築き上げられたものだと思っております。~
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 自閉症の子供さんは大人に体を預けないというのが通例でございますが、しっかりと療法士に体を預けて、そしてなおかつ自分に合わせて歌う、ちゃんと声にならないんですけれども口を動かすようになって、おんぶならおんぶをしてという意思表示をしているのに大変感動いたしました。~
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 今おっしゃったように、公募による研究というところからこれはもう一歩踏み込んでいただきまして日本もそろそろ、外国ではもう五十年前からやっていらっしゃるわけですから、一歩踏み込んだ形の研究費というのはお考えになっていただくことはできないでしょうか。~
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''○説明員(今田寛睦君)''~
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今回の採択の経緯につきましては先ほど申し上げたとおりでありますが、この音楽療法につきましては、現在、医療のみならず、福祉とかあるいは教育の分野、非常に幅広くそのすそ野を持っている、このように思っております。~
したがいまして、それぞれの分野でどのような研究がなされ、どのような効果を生んでいるかというようなことをこのたび初めて国として研究をさせていただくという状況になったものでございますので、これら基礎的な調査研究結果を見ながら、今後その専門性でありますとかあるいは効果などにつきまして検討していくことが必要ではないか、このように認識をいたしております。~
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''○沢たまき君''~
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あと二分ぐらいでございますが、大臣いかがでしょうか。~
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 介護保険が二〇〇〇年から実施されます。~
医療費抑制の改革はクオリティー・オブ・ライフの視点に立って、医療、介護、福祉とそれぞれの持っている機能を効率的に生かすべきだと思います。~
各種制度が連携し合うシステムを拡充する時代に来ていると思います。~
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 音楽療法士は、今日の医療の目標である単なる疾病の制度から、本来の健康と生きがいをつくるという新しい医療制度を拡充するために大きな役割があると思っております。~
厚生省として、国家資格、健康保険の適用を本格的に検討していただく時代に入ったと思います。~
どうぞ大臣、ぜひ前向きのお考えをいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。~
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''○国務大臣(宮下創平君)''~
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音楽と人間の関係、それから病気と音楽との関係、大変貴重な御意見を承りました。~
しかし、今お話しのように、まだまだ音楽療法ということになりますと、現時点で専門性とかあるいは効果について評価検討することもちょっと尚早ではないかなと一般的には見られています。~
したがって、まずその実施状況とか研究実績などの基本的な事項について調査研究を行うことが必要であろうというように思っております。~
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 それで、先ほど来、本年度から障害保健福祉総合研究事業におきまして、日野原先生のお話もございましたが、そういう調査研究項目として取り上げさせていただいたわけでありますが、そういう今までの申し上げたような状況でございますので、音楽療法士の国家資格化とか保険適用というのはその専門性とか効果との医学的評価がもっともっと確立されて、そうした段階でなるほどそのとおりだということであれば検討をしなければならないと思っておるところでございます。~
~
~
''○沢たまき君''~
~
ありがとうございました。~
~
~
   ……略…… ~
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CENTER:→あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する国会会議録


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