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 *7-衆-厚生委員''会-15号 昭和25年03月22日 [#mb382ea6]
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 ''○堀川委員''長''~
 *7-衆-厚生委員会-15号 昭和25年03月22日 [#tb4f9eb1]
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 ''○堀川委員長''~
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 次に日程第二七、文書表五五八号を議題といたします。~
 まず紹介議員の御説明を願います。~
 内海安吉君。~
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 ''○内海安吉君''~
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 厚生省御当局が療術の科学的調査に着手せられまして、いろいろと御配慮を煩わしておられる点に対しましては、組合員一同が心から感謝の意を表しておるような次第なのでございます。~
 私はこの問題につきまして、第一回国会以来絶えず療術がわが国民の治療保健上、その福祉増進に寄興しつつあることを認めまして、その保護助長を主張して来ましたが、御当局においては主として療術に対する科学性が究明されておらぬことを理由に、この問題を拒否されて来たのでありますが、幸にもわれわれの主張を入れられて、昨年の四月に五十万円の調査費を支出くださいまして、全国五箇所、北大医学部、東大医学部、東京医大、横浜医大、九州医大(別府温熱研究所及び国立亀川病院)において、一流の学者陣を動員し、療術師を試験台に乗せて、その科学的研究に着手せられたことは、当局の療術に対する御理解と誠意ある態度に対しましては深く感謝の意を表するものであります。~
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 まず第一に承りたいことは、各療術調査所におけるその後の結果がどうなつておるか、すなわち療術(手技療法、電気療法、温熱刺戟療法、光線療法)が無害にして有効であるか。~
 そしてその科学的証明が裏づけられたかという点について、この際久下次長さんより、中間報告なり御説明なりを承われればまことにけつこうでございます。~
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 第二は療術の施術効果が科学的に立証された場合、この療術師法制定に関する請願に対し、いかなる御措置をとられるお考えであるか、この点に対して御答弁を願いたいと思うのでございます。~
 申すまでもなく、政府が今回とりつつある療術は、われわれがかつて厚生委員''として、本委員''会において、国民の治療保健上有益なものは、一日も早く法律第二一七号第十九條を改正してその禁止を解き、彼らの身分を保護し、その業を助長すべきであることを絶えず主張して参つたのであります。~
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 その結果療術調査に着手されたことと確信しておるものでありまするが、この際療術に科学的な医学理論が裏づけされたときには、当局として彼ら療術師の身分を保護し、その業を助長させて、国民の保健福祉の増進をはかられるお考えがあるかどうか、これが第二点であります。~
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 第三点は、療術師法の制定を要望するのであります。~
 政府は財政緊縮の苦しい予算の中から、特に本年度に五十万円をさいて療術調査にとりかかられた熱意と誠意には、重ねて感謝するものでありますが、この際特に政府御当局の御同情を得たいことは、全国療術業者の団体である全国療術協同組合においては、地方組合の療術師を動員し、この療術調査の衝に当らしめておるが、その数四十余名に上り、これらの人々の生活費をも全療協組合みずからが支出負担しておるような次第でありまして、その費用は厚生省補助金の五倍にも達しておるような実情であるのであります。~
 この点からもすみやかに本問題を処置されまするならば、まことに望外の幸いとするところなのであります。~
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 第四に、実力ある者を救済せられたいというのであります。~
 われわれがこの療術師法の制定をさつきゆうに要求するいま一つの理由のあることを、この機会に政府当局に申し述べておきたいのであります。~
 第一は営業中失格した者の救済である。~
 これは昭和二十三年十二月二十日公布の法律第二一七号によつて現在の療術業者がその営業権を認められたのでありますが、しかしその適格者を査定するにあたり、政府は昭和二十二年九月二十日まで開業したる者とここに一線を画したために、九月二十日以後、この法律公布の日まで開業していた者は看板をはずさなければならなくなつたという不幸な業者は、全国に二千六百余名あるという事実なのであります。~
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 第二は、当時は戰後幾ばくも経なかつたので、業者は都心空爆を避けるために僻地に疎開営業しておりました者が、新法律を知らなかつたがために、昭和二十二年三月末日までの届出をしなかつた業者であります。~
 これが全国で約三百余者あります。~
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 第三は、実力あつて届出ぜざる者の失格者であります。~
 これは北海道、秋田、福島等の地方庁においてその試験を受け、それに合格したが、法律の制限を受けて失格した者、及び実力は十分あるが、助手をしていたために失格した者、合せて千二百余名あります。~
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 第四は、外地すなわち朝鮮、台湾、満洲等において営業し、引揚者として帰国した者及び戰時中召集され、その復員が届出に間に合わず、失業しておる者の数は約千七百名以上、全部で五千八百余者に達しておるでのあります。~
 これらに対して何とか救済の道を講じてもらいたいというのであります。~
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 なお全療協組合に、所属しておる業者は、議員会館で治療しておりますから、御承知のこととは思いますが、決して新興宗教を名乗つてインチキ治療をし、社会の人々をまどわすような業者ではなく、ここ三年間にわたり地方衞生部及び保健所と緊密な連絡のもとに、学問的に、技術的に、長期間の講習を開き、引続き療術研究所を全国五十四箇所に開設して、まじめに修業しております。~
 そして療術の立法化を裏切らぬようにと涙ぐましい努力を拂つております。~
 しかるに多数の業者中には、将来新法律が公布された場合には、当然その恩典に浴するものとうぬぼれて、この修業機関に参加せぬ者があります。~
 これは昭和二十二年第一国会の厚生委員''会の席上、東政府委員''が業者みずから修業するように努め、また指導したいと申されましたから、この見地からこれら怠慢な業者に対してはこのまま看過せずに、地方衞生部を通じ、各保健所等から、それぞれ戒告して、自発的に修業しつつある全寮協組合の傘下に集められるよう特に御考慮お願いしたいのであります。~
 これは昭和二十二年第一国会の厚生委員会の席上、東政府委員が業者みずから修業するように努め、また指導したいと申されましたから、この見地からこれら怠慢な業者に対してはこのまま看過せずに、地方衞生部を通じ、各保健所等から、それぞれ戒告して、自発的に修業しつつある全寮協組合の傘下に集められるよう特に御考慮お願いしたいのであります。~
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 以上は私の請願書に対する説明であり、また久下次長に対する御質問の要点なのでございます。どうぞよろしくお願いいたします。~
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 ''○堀川委員''長''~
 ''○堀川委員長''~
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 政府側の御意見がありましたら、発言を許します。~
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 ''○久下政府委員''~
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 まず最初に療術行為に関する調査のことでありますが、お話の通り本年度五十万円の調査費がとれまして、ただいま御指摘のようなところにそれぞれ委託をいたしまして研究を継続してもらつておるわけであります。~
 二十五年度におきましても、ただいま国会において御審議をしていただいております予算の中には、同額の費用が支出せられるようにお願いしておるのであります。~
 私どもといたしましては、国会の御決定がありましたならば、現在やつております研究をさらに継続して、徹底したいと考えておる次第であります。~
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 最初にこの中間報告でもというお話で、ございましたが、何分、実は本年度の予算を、最も合理的に使用をいたしますために、最初に適当な研究者を選ぶということが第一の問題であり、引続きこの選定されました研究者との間に、具体的な打合せ等が、ございましたために、二十四年度に入りまして数箇月をこうした準備に費してしまつておるのであります。~
 それから正式に私どもの方から、調査研究を依頼をしたような実情でございまして、ただいまのところ各委託研究先から、私どもの方に報告をもらつておりませんので、せつかくのお話でございますが、今日のところでは、中間報告として申上げる資料を持つておらないことを御了承いただきたいと思います。~
 この調査研究の結果得ました結論をどう扱うかということでありますが、この点は現在のこれに関する法律制定の際に、厚生大臣からも申し上げました通り、科学的にいいものであるという結論が出ますならば、これが立法化をすることは、政府の方針であるということを申し上げておるはずでございますが、私どもといたしましてもその考え方をもつて、ただいま調査研究の結果を待つておる次第でございます。~
 ただこれには申すまでもなく二つの問題がございまして、療術行為そのものの科学的な効果というものが明確にされますると同時に、その療術行為をいたしますために、どの程度の資格の者がやつたらよいかという、第二段の問題を検討してかからなければならないわけでございまして私どもとしては調査研究を委託いたします際には、この両面をそれぞれ研究、回答してもらうようにいたしておりますが、あとの方の問題は、ひとり研究者の意見のみならず、あるいは各方面の専門家の意見を聞かなければならないとも考えております。~
 いずれにいたしましても、そうした点につきまして合理的な結論を得ました上で、適法な措置をとりたいと考えておる次第でございます。~
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 次にお話の、ございました全寮協組合の組合員の方々、あるいは役員の方々が、進んでこの調査研究に御協力願つておる点でございます。~
 当時私どもは五十万円の予算では、とうてい十分な調査研究ができるとは思つておらなかつたのであります。~
 幸いに関係業者の犠牲的な御協力によりまして、この予算が御指摘のように数倍の効果をあげておることは、私ども自身も感謝をいたしておる次第でございます。~
 この機会にむしろこちらから、その点についてお礼を申し上げたいと思つておる次第でございます。~
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 それから次にいろいろと失格をされました方々の救済についてお尋ねがございましたが、この点は実は法律制定のときに、すでににある程度予想をいたしまして、いろいろと検討いをいたしたのでございますが、確かに昭和二十二年の末に法律が公布になりますその前、九月二十日までというような限定をして、その間の資格を得た者につきましては、法律上これを認めないという措置をとりましたので、これはいろいろと関係各方面と打合せましたが、何分当時この法律が出て、こういうふうな結果になることが一般に知られましたことと同時に、また一面におきまして、当時は何らその資格につきまして制限の制度がございませんでしたので、非常に多数の人々が、十分な資格を持たないにもかかわらず、届出一本で仕事を始めるというような傾向が多いことを聞き、業者それ自身の方々の中にも、これを問題にされた方があつたのであります。~
 さような点から公布の前三箇月というものを押えまして、その以内の資格者につきましては、これを法律上は既得権と認めないという措置をとりました。~
 少しむりな点が出ているかと思いますけれども、全般的な立場からただいま申しましたような措置をとらざるを得なかつたのであります。~
 その他二、三についてお話が、ございましたが、いずれもごもつともな点でございますが、これらの点は結局は、療術行為そのものの科学性が証明され、合理性が確定されました際に、すべてを解決すべきことと思います。~
 現在のところといたしましては、療術行為そのものが問題になつておる際でございますので、その点はそうした線に向つて進んでおりますということを、ぜひ御了承いただきたいと思うのでございます。~
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 それから療術協会の組合員のうち、あるいは組合員以外の者で、十分に学問的なあるいは技術的な講習を受ける者がないというようなお話でございまして、これを厚生省の方から参加するように指示しろということでございますが、これはよほど文章などに気をつけませんと、いわゆる憲法違反の疑いも生ずることでありますので、十分この点は注意をして御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。~
 幸いに近く衞生部長会議も開く予定でございますので、それらの機会を利用いたしまして、適当な方法で趣旨の徹底をはかるようにいたしたいと思います。~
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 ''○内海安吉君~
 ''○内海安吉君''~
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 御答弁の御趣旨はよく了承いたしました。どうぞこの連盟の人々のために、また社会のこういつた方面の不安を一掃するためにも、一日もすみやかに本組合員に対する法案の制定をお願いいたしまして、私の説明を終りたいと思います。~
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 ''○青柳委員''~
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 ちよつと久下政府委員''にお尋ねしたいのですが、私は実は療術行為推奨派の一人でありまして、私の記憶にして間違いなければ、昭和十八年の予算において、厚生省は五万円の研究費をもつて療術行為の研究に当られ、その予算を出して委託した先の名前は忘れたのでありますが、西欧医学から入りました大島博士なども入つておる団体に委託した覚えがあるのであります。~
 そういう事実があつたかどうか、その結果がどうであつたかということを、覚えておられればお知らせ願いたいと思います。~
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 ''○久下政府委員''~
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 御指摘のような事実は確かにございました。~
 昭和十八年度の予算であつたと思います。金額は二万円でございました。~
 委託先は財団法人同愛記念病院の中に、内科の主任をしておりました板倉という医者がおりましたが、板倉博士がそこに更亜治療研究所というものをつくりまして、私的なものでありますが、それに委託をした事実がございます。~
 ところが委託をしまして、事実研究も始めたのでありますが、これも若干準備に手間取りましたり、その後空襲を受けてしまいまして、病院そのものは残りましたけれども、病院の周囲が全部焼けてしまいまして、患者がほとんど来なくなつてしまつたのであります。~
 患者が来ないために研究も中断せざるを得ないというようなことで、昭和十九年度も同じ予算を追加をいたしまして、金だけは出たのでございますが、満足な結果を得ないで中絶をしてしまいました。~
 その際のわずか半年ほどの間の中間的な報告も参つてはおりますけれども、これも全般的に問題を解明するまでの資料にはなつておりません。~
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 ''○青柳委員''~
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 本年度から始めておられます調査研究、すなわち療術行為の科学性、合理性についての調査研究の見通しと言いますか。~
 これまた数年を要するようなことであつてはならないと思うのでありますが、その辺の見通しを承りたいと思います。~
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 ''○久下政府委員''~
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 先ほどちよつと申し上げましたように、実は趣旨を話し、委託しまして、まだ日も浅いことでございますので、簡單に見通しを申し上げるわけには参らないと思いますが、ただ相当の方々が私どもの委託に応じまして、喜んでこの仕事を引受けておりますることなどから推察いたしまして、そう何年もかかるということでなくて、ある程度の結論が出るのではないかと思つております。~
 私どもの方といたしましては、ある程度まとまつた結論が出ましたならば、遂次捨置をとるようにして行きたいと思つております。~~
 私どもの方といたしましては、ある程度まとまつた結論が出ましたならば、遂次捨置をとるようにして行きたいと思つております。~
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