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*2-衆-厚生委員会-20号 昭和23年06月30日 [#v1002db2]
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''○山崎委員長''~
次にあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案を議題といたします。~
提案者より提案理由の説明を願います。~
参議院議員小林勝馬君。~
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''○小林参議院厚生委員''~
ただいま議題となりましたあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案の提案理由と、この法案の大要について御説明申し上げます。~
 第一回國会で成立しました、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の施行によりまして、本年一月一日以後、これらの営業をなす者は、新制中学を卒業してから公認の学校または講習所にはいり、そこであんまの場合は二年間、はり、きゆう、柔道整復の場合は四年間修業して、初めて受驗資格を得、その資格試驗に合格した者に対してのみ免許を與えられることになりました。~
ただ経過措置として同法の附則第十七條におきまして、從來の法令によつて免許を受ける資格のあつた者、すなわち一月一日当時すでに指定の学校または講習所の卒業証明書をもつていた者と、当時までに盲人であんまになる者だけは二年以上の、他の者については四年以上の修業実歴のあつた者で、かつ所定の試驗に合格していた者に限り、六月三十日までに免許鑑札が受けられるように例外が認められたことについては、すでに御承知の通りであります。~
ところがこの業界の特質とでも言いましようか、この業界には一種の徒弟制度がありまして、所定の二年または四年以上の修業実歴をもちながら独立の手続をとらず、なお師匠のもとで修業を続ける者が非常に多く、学校または講習所の生徒の中にも、すでに何年かの修業をした上ではいつている者が多いのであります。~
かつ、これらの人々の中には旧制度の義務教育を免除された者が多かつた等の関係から、当時新しい法律によつて自分達の営業の制度が変ることについて一般に予備知識がなく、自分は所定の修業実歴があるから、いつでも試驗を受けさえすれば独立できるものだと安心して、默々と修業を続けていた者が大多数であつたのであります。~
こういう事情のもとにおいて、新法律は昨年の暮十二月二十日に公布、わずか十日間の猶予期間を経て、今年一月一日から施行されることになりました。~
その間に全國では旧法令による最後の資格試驗を一斉に施行したのでありますが、右のような事情から新法律の施行さえ知らず、まして最後の試驗のあることをも全然知らずして遂に受驗の機会を失つた者、または知つてはいたが、ただ一回しか行われなかつたために、たまたま病氣等の事故のために受驗できなかつた者、及び準備不足のため、その試驗に合格しなかつた者が全國を通じて、特に田舎においては非常な数に上るのであります。~
これらの窮状を訴え、いま一度試驗を施行してほしいと懇願する手紙が私の手もとにまいつたものでも千通に近く、また同業の全國連盟には何らかの救済を要望する声が毎日のように絶えないのであります。~
同じ程度の実力をもちながら、ただ一回の受驗の機会を得たか否かによつて、一方には救われた者があり、他方には遂に生計の道さえ絶たれる者のあることは、公平の原理にももとり、また本人にとつてはまことに氣の毒な限りでもあります。~
この不公平を是正して、同等の実力がある者には同じ資格を與えるために、あらためて受驗の機会をつくることがこの法案を提出した理由であります。~
 次に法案の大要を御説明いたします。~
この法案はきわめて簡單でありまして、第一條におきましては、盲人であんまを営む者については二年以上の修業実歴、その他のあんま、はり、きゆうについては四年以上の修業実歴のある者に対して、都道府縣知事は十一月三十日までに旧法令によつて資格試驗を行うことを規定し、第二條でその試驗に合格した者に対しては、十二月三十一日までに免許を與えることができる旨を規定したのであります。~
第一條にあります「附則第十六條に掲げる法令」とは、あんま、はり、きゆうの営業に関して從來出ておりました内務省令及び厚生省令を指すのであります。~
この法案がさいわいにして成立しますれば、再試驗を行うことになるのでありますが、受驗試格となる修業実歴の認定については、日本はり、きゆう、マツサージ連盟が適正な統制措置をとつて、証明書の濫発による弊害を防止する予定であります。~
何とぞ御審議の上御賛成くださるようお願いいたします。~
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''○有田委員''~
民主自由党を代表いたしまして、この際政府に質問警告を発したいと思います。~
それは六月二十六日に樂事法案、民主委員法案、さらに厚生年金保險法の一部を改正する法律案、厚生省官制の一部改正法案の四案が委員会を通過する。~
さらにまた一昨二十八日におきましては予防接種法案、医師法案、歯科医師法案、歯科衞生士法案、保健婦助産婦看護婦法案、船員保險法一部改正法案というような法案が委員会において可決になつて、本会議にかけ、これにさらにまた今日におきましては興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保健法の一部改正法案、温泉法案、あん摩、はり、きゆう柔道整復等営業法に関する法律案というのを本日の委員会において可決して、そうして本会議に移すことになつているが、まつたく與党の各委員も常に質問の中に申しておられる通りに、政府の法案を上程される態度におきまして、私どもはまつたく不満を感ずるものでございます。~
しかも会期切迫いたしまして、聞くところによりますと本日終了いたしまする予定の國会が、五日間與党則では延ばしたい希望であるようでございますが、とにかく会期切迫の際、かくも多数の法案を一時に出すという政府のやり方には、與党側の各議員も不満であると共に、野党の私ども民主自由党といたしましては、まつたく不満の意を表するものであります。~
しかもこれを修正いたしますと、やはりいろいろな関係からわれわれは十分な審議もできないし、十分な修正もできない状態に置かれている。~
私どもはこの点においてまことに遺憾に思う。~
しかも本日可決になる予定の興行場法案とか、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、あるいは國民健康保險法の一部改正案、温泉法案、あん摩、はり、きゆう柔道整復等営業法に関する特例案は、明七月一日から行われるかもしれない緊急なる法案であります。~
その緊急な法案を会期切迫した今日において全部通さなけばならぬ。~
そうでないと國民大衆が困る。~
しかも私たちに十分な審議もさせないというような状態に置かれているのは、非常に私達遺憾に思うがこの点につきましては與党側の民主党としても、社会党としても、國協党としても、おそらく御同感のことであろうと思います。~
從つて第一國会におきまして可決になりましたこの理容師法並びにあん摩、はり、きゆう問題にしましても、再びこれを補充しなければならぬような欠陥が出てくるように思うのであります。~
從つて第二國会におきまして今まで可決になりあるいは本日可決になる、またその後に可決になる法案につきましても、いろいろと欠陥があることであろうと思うのですが、その責任はわれわれ委員の責任ではなくしてまつたく政府当局の責任である、かように私は考えるものであります。~
從つて第三國会におきましてこれらの法律の修正を私どもやります場合に、政府としてはその責任を十分御痛感になつて御協力あるべきであると私は存ずるのであります。~
しかも今度の一昨日通りました看護婦助産婦保健婦法案、医師法案、医療法案などにつきましても、これまた相当不平がある。~
これについては十分なる審議を遂げていきたい、かように考えているのでありまして、これについて政府の御答弁を承りたい。~
さらに本日の質問も、浴場法案についても、旅館業法案についても、まだいろいろ質問する事項がたくさんあるのであります。~
特に野党といたしまして、われわれ民主自由党といたしまして、やらなければならぬものがあるわけでありますが、明日から施行したい、施行しなければ國民が困るというような状態に置かれている以上いたし方ないのであります。~
先刻も浴場の燃料問題で野本委員からお話がありましたが、三木政府委員の説明では私は納得しかねる。~
野本委員は政府の説明が十分であつたような意味において感謝いたしているのでありますが、私の知る範囲においては、まつたく浴場の燃料につきましては私は政府の無能を衝きたいと考えているのであります。~
そういつたような状態においてこれらのことも質問することが出來ない。~
さらにまた旅館業法の第七條の「営業の施設に立ち入り」というような問題につきましては、私どもは当然これは修正しなければなりません。~
特に営業方面の問題については当該吏員が営業の施設に立入るといつたような、いわゆる基本的人権を侵害するがごときは嚴に愼まなければならない、かように考えておるのです。~
これもこれを修正することによつて第二國会を通過することができないというような諸般の事情を併せ考えまして、わが民主自由党としましては、はなはだ遺憾であるけれども、これをもつて質疑を打切るということに決したのでありますが、私ども野党としての立場においても、このたくさんの法案を一時に可決し、一時に本会議に上程していくということは、厚生委員の中の民主党自体として一番責任を痛感しておることと思う。~
政府当局としては十分この点を熟考して、この案について誤りなきよう、かつまた第三國会における修正等についても、國会においてすでにあなた方が採択してくださつたのじやないかという意味合でなく、政府の責任において、会期切迫しておる時に法案を一度に出したそのために、十分なる審議ができないで、りつぱな法律案ができなかつたのは政府の責任であるということを、十分肝に銘じていただきたい、かように考えるものであります。政府の御意見を承りたい。~
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''○喜多政府委員''~
ただいま有田委員の御意見まことに御もつともでございます。~
厚生省といたしまして会期切迫いたし、多数の重要なる法案を提出いたしまして、委員各位の御審議を賜わつておりますことを、深く感謝いたしておる次第であります。~
厚生省といたしましても成るべく早く提出したいというふうに考えていたのでございますが、いろいろの事情のために遅延いたしましたことは、惡しからず御了承願いたいと思うのであります。~
その際における審議に対しまして十分の時間も與えられなかつた関係上、これが修正等を第三國会において委員によつて審議をされることについて、厚生省としてはやぶさかでありませんので、どうか第三國会においてもこの法案を御審議くださることに異存なきことを表明いたします。~
第二に立入り調査の問題に対しまして有田委員より、これは基本的人権を蹂躪するおそれがあるのじやないかということに対しましては、これも同感で御もつともと存じておる次第でございます。~
しかしながら本法案通過によりまして厚生省といたしまして、この面に対しては都道府縣に十分徹底するよう指示をして、行政面に対して遺憾なきように努力を拂うようにしたいと存じておりますから、よろしく御了承をお願いする次第であります。~
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''○山崎委員長''~
外に質問する方はありませんか、榊原亨君。~
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''○榊原(亨)委員''~
時間がありませんのでごく簡単に二点について御質問申し上げたいと存じます。~
健康保險法の一部を改正する法案中、第四十三條の六、四十三條の七の社会保險診療査定委員会のことでありますが……。~
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''○山崎委員長''~
榊原委員に申し上げますが、それはただいま議題としておりませんのでこの次に願います。~
 ただいま議題となりました、興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保險法の一部改正法律案、温泉法案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案につきましては質疑も終了しておりますので、一括してこれらの質疑を打切りたいと存じますが御異議ございませんか。~
    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕~
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''○山崎委員長''~
御異議がなければさよう決定いたします。~
 次にただいま議題といたして質疑を打切りました興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康康險法の一部を軽正する法律案、温泉法案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案、以上の各案を一括して討論に入ります。有田二郎君。~
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''○有田委員''~
民主自由党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。~
しかしながらこの運営の方法につきまして、興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、温泉法案というようなものにつきましては、出先の官廳をして、厚生省は十分この法律の運営について留意していただきたい。~
敗戰後日本が民主的にはなりましたけれども、まだ日本の出先官僚におきましては、戰時中あるいは戰前と同じような官尊民卑、あるいは官僚的な面が多分にあるのでありまして、これらの取締の面におきましても、大衆の幸福、國民の仕合を念願として、その運営におきまして万遺憾のないようにしていただきたい。~
私はかように考えるのであります。~
民主自由党といたしましてはこれらの法案は、先刻緊急質問で申し上げました通りにいずれも不満足である。~
不満足でありますけれども、第三國会において十分に愼重審議いたしまして、立派な法律に変更していきたいということを條件といたしまして、ここに賛成の意を表するのであります。~
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''○山崎委員長''~
それでは本日議題といたしました中の興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保險法の一部を改正する法律案、温泉法案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案の採決に入ります。各議案を原案通り可決いたすことに御賛成の諸君の御起立を願います。~
    〔総員起立〕~
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''○山崎委員長''~
起立総員。よつて本案はいずれも原案通り可決いたした。~
 なお議長に提出いたします報告書の作成に関しましては、委員長に一任していただきたいと存じますが、御異議ございませんか。~
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕~
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''○山崎委員長''~
御異議がなければさよう取計らいます。~
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