このページは、按摩その他についての雑記を残すページ。~
メモ程度のもの、未整理なもの等、一時保管場所。~
~
#contents
~
*自行按摩 -独り按摩- (養生訓より) [#fe143c57]
~
貝原益軒著「養生訓」第五・五官には、いくつか自行按摩が掲載されています。~
かなり実用的、効果的なので、近々図解化または写真、欲をいえば動画化したいな、などと考えていますが、取り敢えずここにピックアップしておくことに。~
中村学園に養生訓原文テキストが掲載されています。[[中村学園・養生訓>http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/kaibara/yojokun/index.htm]]~
~
~
-凡(そ)朝は早くおきて、手と面を洗ひ、髪をゆひ、事をつとめ、食後にはまづ腹を多くなで下し、食気をめぐらすべし。~
又、京門(第12肋骨部)のあたりを手の食指のかたはらにて、すぢかひにしばしばなづべし。~
腰をもなで下して後、下にてしづかにうつべし。~
あらくすべからず。~
もし食気滞らば、面を仰ぎて三四度食毒の気を吐くべし。~
~

上記のみ第二・総論下。~
以下は第五・五官。~
~
-凡(そ)一日に一度、わが&ruby(こうべ){首};より足に至るまで、惣身のこらず、殊につがひの節ある所、&ruby(ことごと){悉};く人になでさすりおさしむる事、各所十遍ならしむべし。~
先百会の穴、次に頭の四方のめぐり、次に両眉の外、次に眉じり、又鼻ばしらのわき、耳の内、耳のうしろを皆おすべし。~
次に風池、次に項の左右をもむ。~
左には右手、右には左手を用ゆ。~
次に両の肩、次に&ruby(ひじ){臂};骨のつがひ、次に腕、次に手の十指をひねらしむ。~
次に背をおさへ、うちうごかすべし。~
次に腰及腎堂をなでさする。~
次にむね、両乳、次に腹を多くなづる。~
次に両股、次に両膝、次に脛の表裏、次に足の&ruby(くるぶし){踝};、足の甲、次に足の十指、次に足の&ruby(うら){心};、皆、両手にてなでひねらしむ。~
&ruby(これ){是};寿養叢書の説也。~
我手にてみづからするもよし。~
~
-導引の法を毎日行へば、気をめぐらし、食を消して、&ruby(しゃくじゅ){積聚};を生ぜず。~
朝いまだおきざる時、両足をのべ、濁気をはき出し、おきて坐し、頭を仰(あおのき)て、両手をくみ、&ruby(むこう){向};へ張出し、上に向ふべし。~
歯をしばしばたゝき、左右の手にて、&ruby(うなじ){項};をかはるがはるおす。~
其次に両肩をあげ、くびを縮め、目をふさぎて、&ruby(にわか){俄};に肩を下へさぐる事、三度。~
次に&ruby(かお){面};を、両手にて、度々なで下ろし、目を、目がしらより目じりに、しばしばなで、鼻を、両手の中指にて六七度なで、&ruby(じりん){耳輪};を、両手の両指にて挟み、なで下ろす事六七度、両手の中指を両耳に入、さぐり、しばしふさぎて両へひらき、両手をくみ、左へ引ときは、かうべ右をかへり見、右へ引ときは、左へかへりみる。 此如する事各三度。~
次に手の背にて、左右の腰の上、&ruby(けいもん){京門};のあたりを、すぢかひに、下に十余度なで下し、次に両手を以、腰を按す。~
両手の&ruby(たなごころ){掌};にて、腰の上下をしばしばなで下す。~
是食気をめぐらし、気を下す。~
次に手を以、臀の上を、やはらかに打事十余度。次に股膝を撫くだし、両手をくんで、三里(:膝頭の下)の辺をかゝえ、足を先へふみ出し、左右の手を前へ引、左右の足、ともに、此如する事しばしばすべし。~
次に左右の手を以、左右の&ruby(すね){脛};はぎの表裏を、なで下す事数度。~
次に足の&ruby(うら){心};&ruby(ゆせん){湧泉};の穴と云、片足の五指を片手にてにぎり、湧泉の穴を左手にて右をなで、右手にて左をなづる事、各数十度。~
又、両足の大指をよく引、残る指をもひねる。~
是術者のする導引の術なり。~
閑暇ある人は日々かくの如す。~
又、奴婢児童にをしへて&ruby(はぎ){脛};をなでさせ、&ruby(あしのうら){足心};をしきりにすらせ、熱生じてやむ。~
又、足の指を&ruby(ひか){引};しむ。~
朝夕此如すれば、気下り、気めぐり、足の痛を治す。~
&ruby(はなはだ){甚};益あり。~
遠方へ歩行せんとする時、又は歩行して後、&ruby(あしのうら){足心};を右のごとく&ruby(お){按};すべし。~
~
-膝より下の、はぎのおもてうらを、人をして、手を以、しばしばなでくださせ、足の甲をなで、其後、足のうらを、しきりに多くなで、足の十指を&ruby(ひか){引};すれば、気を下しめぐらす。~
みづからするは、&ruby(もっとも){尤};よし。~
是良法なり。~
~
-気のよくめぐりて快き時に、導引按摩すべからず。~
又、冬月按摩をいむ事、内経に見えたり。~
身を労働して、気上る病には、導引、按摩ともにあしゝ。~
只身をしづかに動かし、歩行する事は、四時ともによし。~
&ruby(もっとも){尤};飯後によろし。~
&ruby(ゆせん){勇泉};の穴をなづる事も、四時ともによろし。~
~
-髪はおほくつけづるべし。~
気をめぐらし、上気をくだす。~
櫛の歯しげきは、髪ぬけやすくしてあしゝ。~
牙歯はしばしばたゝくべし。~
歯をかたくし、虫はまず。~
時々両の手を合せ、すりてあたゝめ、両眼をあたゝめのすべし。~
目を明らかにし、風をさる。~
よつて髪ぎはより、下額と面を上より下になづる事二十七遍、古人、両手はつねに面に在べしと云へるは、時々両手にて面をなづべしとなり。~
此の如すれば、気をめぐらし、上気をくだし、&ruby(かおいろ){面色};をうるはしくす。~
左右の中指を以、鼻の両わきを多くなで、両耳の根を多くなづべし。~
~
-五更におきて坐し、一手にて、足の五指をにぎり、一手にて足の心をなでさする事、久しくすべし。~
此如して&ruby(あしのうら){足心};熱せば、両手を用ひて、両足の指をうごかすべし。~
右の法、&ruby(ぬび){奴婢};にも命じて、かくのごとくせしむ。~
&ruby(あるいはいう){或云};、五更にかぎらず、毎夜おきて坐し、此如する事久しければ、足の病なし。~
上気を下し、足よはく、立がたきを治す。~
久しくしておこたらざれば、脚のよはきをつよくし、足の立かぬるをよくいやす。~
甚しるしある事を古人いへり。~
&ruby(ようろうじゅしんしょ){養老寿親書};、&ruby(およびとうば){及東坡};が説にも見えたり。~
~
-臥す時、童子に手を&ruby(もって){以};合せすらせ、熱せしめて、わが腎堂を久しく&ruby(なで){摩};しめ、&ruby(あしのうら){足心};をひさしく&ruby(なで){摩};しむべし。~
みつ゛から如此するもよし。~
又、腎堂の下、&ruby(しり){臀};の上を、しつ゛かにうたしむべし。~

~
*医療関連年表 [#i8996a6a]
医療に関する歴史をおさらい中。~
~
-明治元年 1868 神仏分離令
-明治 6年 1873 憑祈祷狐下げ等の禁止
--梓巫市子憑祈祷狐下等禁止(教部省第二号)第三十八号(明治6年1月)教部省~
従来梓巫市子并憑祈祷狐下け抔と相唱玉占口寄等之所業を以人民を眩惑せしめ候儀、自今一切被禁止候、条於各地方官此旨相心得管内取締方厳重可相立事
---梓=梓弓。弓による祈祷、破邪。(鳴弦と同じか)~
巫および市子=巫女。~
狐下げ=稲荷下げ。
-明治 7年 1874 「医制」発布
-明治 7年 1874 禁厭祈祷をもって医薬を妨げること禁止
--第百四十三号~
禁厭祈祷の儀は神官僧侶の外不相成候処、平人にして神仏を敬礼するの余り従前の弊習に因り妄りに諸人の請求に応じ禁厭祈祷し、甚しきは神下げと唱え妄誕を造り、或は神仏の夢想と唱え薬剤を施し、又之を売り且病者へ薬法を指図する等の者有之哉に相聞え以之外之事に候、向後右体の所業致候者は勿論右に類似し神仏信仰を口実にして他人を誑惑し信施を受る等の者有之に於ては屹度所置申付候条心得違無之様可致事
-明治11年 1878 「洋漢の脚気角力」事件 西洋医学vs皇漢医学
-明治15年 1882 祭祀と宗教の分離 国家神道成立
-明治15年 1882 「禁厭祈祷は医師診断施療中の者に限る」達
-明治16年 1883 医師免許規則、医師開業試験規則が制定
-明治18年 1885 「入歯歯抜口中療治接骨取締方」発布(接骨の禁止令)
-明治39年 1906 「医師法」「歯科医師法」制定
-明治44年 1911 「按摩術営業取締規則」「鍼灸術営業取締規則」制定
-大正 9年 1920 内務省令・按摩術営業取締規則改正により、柔道整復師の身分確定
-昭和 5年 1930 警視庁「療術行為に関する取締規則」
--第一条 本令に於て療術行為と称するは、他の法令に於て認められたる資格を有し、其の範囲内に於て為す診療又は施術を除くの外、疾病の治療又は保健の目的を以て光、熱、器械、器具其他の物を使用し、若しくは応用し又は四肢を運用して他人に施術を為すを謂う
-昭和20年 1945 敗戦
-昭和21年 1946 日本国憲法公布
-昭和22年 1947 「あん摩・はり・きゅう、柔道整復術営業法」制定
-昭和45年 1970 柔道整復師法施行令
~
*メモ [#aa75dc63]
2006-02-22 (水) 08:47:51~
~
今朝見た夢。~
夢分流(腹診&打鍼が特徴の流派)の先生と技術交換する夢。~
「ぼく、鍼は興味ないですからいいですよ」と断るも、かなりしつこく親しげにつきまとわれる。~
断りつつ、内心少し興味を持ちはじめる、という夢。~
~
按腹もあまり興味がなく、まして打鍼の夢分流なんかは、ぼくの守備範囲じゃないと思っていたけれど。~
起きてすぐ「夢分流」で検索してみたり。(^^ゞ~
~
按腹や夢分流も、ちょっと勉強してみよかしら。~

~
*極私的按摩心得 [#ndafde9d]

-他者の体を操作したり、矯正しないこと。

-自己と同様に尊厳を持つ相手の存在(体)には、謙虚に繊細に、尋ねるように触れることしか出来ない、という基本的原則を忘れずに。

-操作、矯正しようと触れる時相手の体は身構える、という以前に、自身が身構えていることを理解する。

-「私は、自身はおろか相手のことも体のことも、何ひとつ知りはしないのだ」。

-知ること(体感的に)はそれだけで歓びであり、知らないということは歓びの源。

-”触れる”ということは、身体的、心理的、エネルギー的コミュニュケーションであるということを忘れずに。

-コミュニケーションとは、”知らない”が知り合うということ。

-凝り、澱みは、”ほぐす”ものではなく、自ずと”ほぐれる”もの。

-体の感覚が鈍く、または感覚なくなれば、その部は澱み、硬くなる。

-体の感覚が目覚め、よみがえれば、その部は流れ、生き生きと柔らかくなり、繊細になる。

-日常、気付いた時には全身の感覚を拡げよう。(施術中はいうに及ばず)

-体は決して物ではなく、心が物質化したものであると感じてみる。

-触れる密度は感覚の繊細さに左右され、触れる密度が増すほど周りを包む空間の密度も濃厚となり、同時に浸透度も増している。

-密度、浸透度の濃密さは、触れられている対象の感覚回復度に直に影響する。

-無垢なまま触れ、無防備さに安住すること。

-防御や虚勢、権威性は、感覚を眠らせる格好の条件。

*按摩覚書 [#l7f1db3f]
-皮膚
--皮膚や皮下組織の触感は、オイルやタルク(パウダー)を介在させると著しく感覚出来なくなる
--皮膚に直接触れても感覚出来るが、衣服の上から、または日本手ぬぐいの上から触れた方が圧倒的に感覚しやすい
--皮膚は自己と外界を隔てる最終地点
--皮膚は自己と外界を繋ぐ入り口
--外界に対して開いている皮膚や皮下組織について
---生き生きとして弾力があり瑞々しい
---振動や振幅が繊細で幅広い
---瑞々しさは蒸気のように体外に拡がっており、常に外界と感覚的に交流している
--外界に対して閉じている皮膚や皮下組織について
---弾力がなく澱んでいる(触感は売っている食肉=死んだ肉に近い)
---振動や振幅が粗く狭い
---外界との交流、接点がなく、閉塞している

~
-指揉み
--全身を開放した状態で行う
---全身がくつろいでいる
---特に身体内部に無駄な緊張が無く、中空であること
---リズミカルな揺れと共に、全身の皮膚が揺れているのを感じながら
---皮膚の揺れや感覚は、同時に皮膚を包む空間の濃度も感じられる
---脱力はしているが、大地から頭上まで身体の中心軸は通っている
---リズミカルな揺れと共に、身体内部の中心軸に沿って揺れの響きが、足底〜膝
の内側〜骨盤底〜丹田〜鳩尾〜胸〜胸骨〜首〜頭蓋底〜眉間〜頭頂、と、下から順に感じられる
--練習になると思われる瞑想、ワーク
---OSHOクンダリーニ瞑想(第1ステージの身体のシェイクは、ほぼ指揉みと同様な状態。クンダリーニ瞑想の自由で内発的なシェイクは、指揉みでは敢えて表現せずにフィーリングや体感覚として受容する。)
---OSHOチャクラ・ブリージング瞑想(各中枢への深く激しく呼吸は中心軸の体感を容易にする。また、呼吸に伴う情動の理解及び中枢位置の高さにより異なる意識状態の理解にも繋がる。)
---ゆる体操(高岡秀夫氏が開発したワーク。立った状態で、皮膚、筋肉、内臓、骨をゆるめる優れたワーク。全身の感覚開発に有効。特に軸タンブリングは、そのままひとりでの指揉みの練習に最適。)
~
*按摩さんのいる風景・待合い所 [#z0e5042c]
--[[ふるさと坂下−四ッ針検校>http://www.takenet.or.jp/~ryuuji/saka/furusato/211.html]]

--[[明治年間流行唄>http://www.konan-wu.ac.jp/~kikuchi/kayo/meiryu.html]]
>よさこい節(明治三年頃)~
【本唄】土佐の高知の播磨屋橋で、坊さん簪(かんざし)を買ふを見た、ヨサコイ/\、坊さん簪買ふのはよけれども、按摩さん眼鏡を買ひに来た、コリヤヨサコイ/\。(安政五年)

--ことわざ([[池上本門寺山主のことば>http://www.honmonji.or.jp/05topic/04sansyu/rireki/1409.html]])
>「秋刀魚がでると按摩が引っこむ」~
脂肪・カルシウム・ビタミンの豊富な秋刀魚を食べると、モリモリと活力が湧いてくる。いつもだったら按摩(マッサージ)さんに腰の一つも揉んで貰いたいところなのだが、秋刀魚のお陰で体調がよく、按摩さんを忘れるほどだ−と、いったところか。~

hisanoyu dharmaya secondlife

トップ   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS