22-参-社会労働委員会-27号 昭和30年07月18日

○委員長(小林英三君)
 次は、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 御質疑を願います。

○高野一夫君
 厚生省側に私伺いたいのでありますが、まず第一に、従来この法律から除外されておった指圧業をやっておる者、この指圧をあん摩の中にマッサージとともにカッコの中に含ませて、あん摩の中に指圧を含むというのが厚生省の原案だと考えます。
ところでこの問題についてわれわれは、皆さんがみなそうであろうと思いますが、あん摩諸君の側からと、指圧そのほか一般の療術師の側からと非常に猛烈な陳情を受けております。
ところがここで私はその陳情の内容に疑問を持つから、ここで厚生省のこのカッコに含ませる意味についてただしたいのである。

 まず指圧業者の陳情の内容を聞きまするというと、これは終始一貫して、おった。
ところが、あん摩業者並びに盲人側からの陳情の理由を聞きますと、私の見るところでは、最初の陳情の趣旨と最近の陳情の趣旨とは、まさに正反対の百八十度の転換をしておるように私は思う。
なぜかというと、最初このあん摩師、はり師、きゆう師、柔道整復師法の中に、指圧その他を取り入れることには絶対反対だというのがあん摩諸君の陳情の内容である。
その後この政府原案が発表されてから最近の状態は、このカッコの中に入れることには賛成するが、カッコの外にはずしてかりにあん摩師あるいは指圧、こういうふうに別に並列することには絶対反対だ、こういうふりに陳情が変ってきておる。
これは私に言わせれば、まさに百八十度の転換だ。
もしも最初のあん摩師諸君の陳情のごとく、カッコの中に入れる、あるいはこの法律の中に取り入れることに絶対反対ならば、指圧というものは、あん摩とは直接の関係縁故のない業務である、こういうふうに考えての話しであって、またそういう御説明であった。
ところが私はまた一つ疑問を持つのは、この法律が昭和二十三年に制定されたときになぜ指圧を除外したかというわけでありまして、あん摩というものは、ここへ取り入れたマッサージはその中に含めた、けれども指圧だけは除外した、ここに一つの問題点がある。
そこで指圧を除外したそのいきさつは知りませんが、このいきさつについて医務局次長から説明を願いたいと思うのでありますが、これを除外したというならば、そしてその除外したのをあん摩師が認めている。
そこであん摩とは別個であると、こういう最初の陳情であったのであります。
そこでこれを除外したのはあん摩とは別個のものであるという意味で除外されたのであるか、何らか特殊な事情があって特に指圧は除外されたものであるかということを一点。

 それから次には、陳情のいかんは別問題といたしまして、このカッコの中に含めて法的にはあん摩と同じ免許を与えるということになるとするならば、マッサージ師も指圧もあん摩も同じ業務である、こういうことになるわけであります。
そうすると、これがまた最初の考え方と、最初われわれが受けた陳情とはがらっと変ってくるわけでありますが、そこでこのカッコの中に含めてマッサージ、指圧はあん摩と同じ業務である、こう考えることが適切であるかどうか。

 それからもう一つは、最初除外したいきさつもあるでありましょうが、あん摩と別に並列して、これはあん摩諸君が最初陳情したように指圧というものは全然別なんだ、この法律に入れるべきものではないのだ、こういう趣旨のお話しであったのであります。
さような意味であん摩師と並べて指圧師なるものをここに入れる、たとえばあん摩師、指圧師、はり師、きゆう師、こういうふうに並列して並べることが適当であるか否か、こういう問題がある。
いろいろあるのでありますが、まずそういう点について従来これを除外したいきさつ、それからカッコの中に入れることと並列することとの是非、そういう点について二、三点にわたると思いますが、とりあえず厚生省の説明を聞かしていただきたい、それについてまた質問を申し上げるかもしれません。

○政府委員(高田浩運君)
 まず第一に、初めにお話しのありました現在の法律ができましたときの経緯から申し上げたいと思います。

 御承知のようにあん摩、はり、きゆう等につきましては、明治年来から内務省の省令をもちまして試験、都道府県知事の免許、そういうような制度によりまして、すなわち免許を受けてその業務を行なっておったのであります。
一方指圧その他いわゆる療術ないし医療類似行為と称するものは、それまでの間にたびたび国の法令による身分を認めてくれという陳情はあったやに聞いておりますけれども、現実の姿としては警視庁令、その他府県令によよりまして、便宜取締りの対象としていわゆる届出をさせることによって取締りの対象を把握するという意味での行政上の坂扱いになっておったように承知いたしております。
これがその後終戦後におきまして、憲法その他によりまする法令上の取扱いからいたしまして、内務省のいわゆる内務省令というものが新しい憲法の趣旨に沿ってその効力を失うので、これを法律にするかあるいは全然廃棄をしてしまうか、そういうような立場に立ったのがこの前の法律ができるときの段階でございます。
それに伴いまして、警視庁令その他で便宜取締りの対象といたしおりましたのも、その後厚生省令でそのままの姿というものを一応規定いたしました。
その省令も同じような運命にあった、そういうようなわけで、これらの省令等によって従来取り扱っておりましたのをその後いかがするかということで、現在のこの御承知の法律の立案に差しかかったわけでございますが、その当時いろいろな議論がありましたことはこれはよく御存じでございます。
一応そのときの法律案の趣旨といたしましては、従前のそういった姿をそのままなるべく引き継いで、そうしてたとえばあん摩とか、あるいははりとか、きゆうとか、そういう長くやっておりましたことがそこでやれなくなってしまうことを防ぐ、すなわち根本的な建前としては、大体において従来のそういったやっておりました構成上の形というものをそう大きな変更を加えないで引き継ぐということに立法の主眼があったと記憶いたしておるのでございます。
そういう意味上において今お話のように、特にその当時指圧をあん摩と同じように入れる、あるいはこれを除外するとかといういわゆる判断の介入を見ませんで、そのまま従来の取扱いを新しい法律に原則的には引き継ぐということになったわけでございまして、まあそういう意味において、その当時は従来から免許等によって認められましたあん摩、はり、きゆう及び柔道整復というのが、試験の制度等が変りましたけれども、依然として知事の試験免許という形で新法に引き継がれるし、それからいわゆる療術行為と称するものは御承知のような姿でこの新しい法律に引き継がれる、そういう格好になったわけでございまして、その後厚生省としましては、これらのいわゆる医療類似行為につきまして不十分ではあると思いますけれども、種種検討いたしました結果、指圧につきましては、この際考えることが適当であるという趣旨をもちまして、御提案申し上げておるような内容の法律を提出いたした次第でございます。
それは今申し上げましたように、いわゆるあん摩等に比べますと、発足め過程は違っておりますけれども、その原理あるいは根本的な方途につきましては、やはりあん摩と同一の範疇に属すると考えるに至りましたし、すなわちあん摩の施術でありますあるいは押し、あるいは引き、あるいはもみ、あるいはなで、あるいはさすり、あるいはたたく、いろいろな行為の中の主として押す行為を強調した一つの施術方法と考えられます。基本的な考え方においても特別に別個の体系として考うべきものではないと考えましたので、あん摩の免許ということで一本に取り扱うことが適当であると考えた次第でございます。
ただ、いま申し上げましたように、従来指圧とあん摩とは往々にして理論的にはそうでありますけれども、世俗的には別物と考えておる向きもございますので、その辺を考慮いたしまして、カッコの中にはっきり指圧という文字を入れた次第でございます。
そういう意味におきまして、指圧はやはりあん摩の免許の中に含めて考えることが適当であり、これを特別に独立をして認めることは不適当であると、そういうように考えて御提案申したような次第であります。

 なお、さらにつけ加えさしていただきますれば、根本的には、日本の医療に関する根本の国の制度と申しますか、そういう点から考えてみますのに、いやしくも人間の病気を直し、あるいは人間の健康に手を触れるというようなことは、やはり一定の基礎的なあるいは技術的な素養を必要とするものであるし、そういう事柄を特にやらせるというからには、やはりそれ相当の必要なそういった素養を必要とするという趣旨から、明治の初め医師という制度が設けられたものと理解しておるのでございますけれども、従って細かいいろいろな議論を捨象して考えれば、国民の疫病あるいは病気という問題に関する限りにおいては、これはやはり医師にやらせるのが建前である、それ以外のものというものはこれは極力特別の場合であって、そういう特別の場合をどんどん広げていくという考え方は根本的には昔からの、明治以来からの医療政策と申しますか、そういった点からこれは慎重に考えなければならない問題である、そういうふうに私どもは理解をいたしておるのでございますが、根本的にはそういうような考え方もいたしておるのでございますが、大体今申し上げましたような趣旨によりまして、二十二年の法律のときには別個にやっておりましたが、今日これを御提案申し上げておるような内容において入れることが適当であるという趣旨で御提案申し上げた次第であります。

○高野一夫君
 ただいまあなたのお話は、お話として大体わかったのですが、一部どうもわからぬところがある。
この政府案に対してまだ十分質疑応答を繰り返してみなければ同意できるかどうかわかりませんけれども、そこでただいまのそういう法律の中に、カッコの中に指圧を入れる方が妥当である、こういう最近の厚生省の考え方が――その当時のこういう画期的な法律ができるときに、ただ当時の取締りの便宜都合上、そういうことだけでもって指圧を除外したというところに私は一つ禍根が残っておるのだろうと思います。
そこで当時はこのカッコの中に指圧を含むというような議論は、当時私は議員でなかったから知らないけれども、指圧はあん摩の業務の中に包含すべきである、あるいはあん摩を取り入れるならばこれと並列して指圧師を取り入れるべきであるという議論が当時行われなかったものであるかどうか、それは御記憶ありませんか。
どなたかほかの方でもけっこうです

  〔委員外議員一松定吉君「その点について委員外の発言を許していただくとすぐその問題がわかりますが、私はその当時」の当事者であったのです、厚生大臣であったもので。」と述ぶ〕

○委員長(小林英三君)
 ただいま一松定吉君から、そういう問題を含んで委員外発言の許可を求められたのですが、この際許可することに御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小林英三君)
 それでは一松君。

○委員外議員(一松定吉君)
 実はこの問題はちょうど私が厚生大臣のときに、私はアメリカのマッカーサーの方から呼ばれまして、はりとかきゆうだとか、一体人のからだにはりを刺したり、火をつけたりする、そういう野蛮なことはやめてしまえ、こういうことを私の方に話があったのであります。
それはなるほど人のからだにはりを刺したり火をつけたりすることはよくないことであるが、わが国は数千年来の昔からこれが一つの病気治療の方法として用いられておった、ことに私自身が現にはりのため、もしくはおきゆうのためにこうこうこうやって神経痛が直った事実があるのだから、それは一つ許してもらわなければならぬと言うて、三度も足を運びまして、マッカーサーの部下におりました関係者と話し合った結果、そんなら大臣がそこまで言うのなら許そう、ただしこういうものが現在二百種ほどある。そこではりとあん摩ときゅうと柔道整復師だけは許そう、あとのものは禁止してしまいなさいと言う、それは大へんだ、医療の業に従事しておる者がちょっと私その当時調べましたのでは数万人おる。
これらの者が全部この業を奪われてしまうということになってくると、憲法二十二条の規定にも反するわけでありますので、それはやはり許してやって、そしてはり、きゆう、柔道整復師だけは試験をしてやる、あとのものはいわゆる玉石混淆なんだから、あるいは電気、あるいは光線、あるいはその他いろいろなものをやっておる、それらのものを一つ相当の期間延ばして、その間に医学上、科学上からこれはからだの健康に必要であるということが認められたならば、厚生省としては試験をしてそれらの者に資格を与えるようにしよう、その間にいわゆるダイヤモンドと石ころを区別する期間を八年間置こうということにして、マッカーサー方面の許しを受けて八年間延ばした。
ところがその八年がちょうど今年の十二月三十一日になる。
だから私は私がやめた後、歴代の厚生大臣にあれは君早くせぬといけないぞいけないぞと言い、そして試験をやってほんとうのダイヤモンドはダイヤモンドとして国家が取り上げてこれを利用し、石ころは廃してしまうということをやらなければいかぬということを何回も何回も各厚生大臣に注意してきた。
よろしゅうございます、よろしゅうございますと言うておりながら、それが今度に至っていよいよこの十二月三十一日になったので、厚生省もそこでしからばどうしたらよかろうということで研究の結果、このように指圧というものはこれはどうしても必要であるから、のみならずこういうようないわゆる玉石混淆を区別するため、これらの業者が医学博士であるとか、大学の教授であるとか、専門家を呼んで八年間ずっと講習会を続けておる連中が多い、そういうことも厚生省が認められて、今度ここに指圧というものをあん摩というものの中に入れてやろう、こういうことになったのは、これは今玉石混淆を区別するためにやることは非常にいいことであるが、この法文の中に、三年間延ばして三年たったらあとのものは転業しなければいかぬ、資格を認めないのだという法律はこれはよくありません。
これは憲法の二十二条の職業の選択を禁止するようなことになるわけです。
これはよくない。
だからいわゆる指圧以外のものでも、あるいは光線その他のもので電気とかいうようなもので身体の健康に必要であるようなものは、やはり試験をして国家がこれに資格を与えるようなことで三年間延ばした、この間にしなければならぬ、そういうようなことが私の意見でありまして、その意見を委員外議員として、当時私が責任者であったということを御了解得たいという意味で、ここに時間を拝借して申し上げたのであります。
今あなたの指圧を除したという理由はそういう理由であったのであります。
さよう御了承願います。

○政府委員(高田浩運君)
 政府の立場から申し上げます。
当時私も実は一松厚生大臣のもとに医務課長をやっておりまして、この問題の処理につきましては、つぶさに辛酸をなめた一人でございます。
その当時今お話しがありましたように、やっておりました人たちを生かすということが精一ぱいの努力でございまして、それ以上に根本的なそういったことの体系を打ち立てるということは実は二の次ぎ、三の次ぎであったというのが実際の実情でございます。
そういう意味におきまして、その当事もろもろの医業類似行為あるいは療術行為というものを振り分けて、あるいは指圧等を取り上げるなら取り上げる、そういう措置をするという時間的なあるいは精力的ないとまもないような状態でございましたので、先ほど申し上げましたように、従来の形を原則としては引き継ぐ、そういうような趣旨できたわけでございます。
それから当時の両院の厚生委員会におきまする審議の過程というものをみますと、やはりお話のような議論は一部にございましたけれども、根本の考え方は先ほど申し上げたような趣旨でございますので、それは自後の研究ということになっておったわけでございます。

 それからなお誤解のないように申し上げておきたいと思いますけれども、その当時療術行為全般についていわゆる玉石混淆、これを全面的にふるい分けるそのための八年間というふうにお考えいただくと、これは多少誤解も私は起るのじゃないかと思いますが、その当時の速記録等によって徴しましても、大体主軸はその間に転業の道もあろうしということが一つの中心であった。
なおこれらのもののうち適当なものもあろうから、それらについては十分念のために研究をして拾い上げるものがあったら拾い上げる、そういうような趣旨に私どもとしては理解をいたしております。

○相馬助治君
 先ほどの高野委員の質問に関連して私も聞きたい点だったのですが、そのお答えが私には明瞭に了解されないので、関連してもう一度聞かしていただきたいと思います。
「あん摩(マッサージを含む。)その下へ「及び指圧」と、こう入れた、このことは指圧というものはあん摩の業務の一部分であるという厚生当局の考えなのかどうか、このことをまた裏をひっかえしていうと、指圧だけで一つの業務として単独に立つという場合には免許の関係はどうなるのか、指圧だけで免許を受けるという道があるのか、こういうことを私は聞きたいのです。
というのはあん摩をやっていらっしゃる方の説明を聞くと、指圧というのはあん摩の仕事の中の一部分なのであって、ちょうどものにたとえると注射をするというのはお医者さんの一つの仕事なので、注射をするというものにだけ注射をする免許を与えるということはおかしいのだ、こういう説明をしておるので、この議論が正しいか正しくないかはしばらくおくとして、指圧というものはあん摩というものの中へ考えているのか、この法文上ではそうなっているのですが、それとも将来は独立するという工合に並立して考えているのか、その点について厚生当局の見解をただしておきたいと思います。

○政府委員(高田浩運君)
 将来独立をさしてあん摩と別個の免許にするということは全然考えておりません。
先ほど申し上げましたように、指圧というのは理論的にはあん摩の一つの一形態だと考えております。
御承知のように、例が適切であるかどうか存じませんけれども、たとえば最も卑近な例として医師が医師の免許をもらって、そうして内科の方面に重点を置いてやる人もおるし、あるいは外科方面に重点を置いてやる人もあるし、あるいは同じ内科方面の療法につきましても、それぞれ自分の考えておるところの療法を特に強調をしてやるということは、これはほかの分野においてもあり得ることでございます。
そういう意味におきまして、いろいろありますあん摩の手の一つとしてあるいは押す、あるいはさする、そういう特殊な部門を特定の人が、あるいは特定のグループの人が特に強調してやるということは、これはありがちなことではございますけれども、しかしそれなるがゆえにそれは別物であるとういふうに考えることは、これはできないと思うのでございまして、理論的に一つの分野に属するものと考うべきでございます。

 なお政策的に申し上げましても、今御引例になりましたように一つ一つの行為をそれぞれ認めて、それに対する免許ということは、やはりこの種の業務の種類から申しまして適当ではないと考えますし、従ってこういったいわゆる皮膚の表面からあるいは押し、あるいはさするというようなことを総合的に勉強して、その上に相手方の身体の状況なりあるいは自分の腕の状況に応じて適切な処置を施す、そういうふうな形にすることが適当であると思うのでございます。

○相馬助治君
 私はまだ研究の不足かもしれませんが、ここへ指圧を入れることには反対の意見を持っておる。
はっきり言ってから聞いた方がいいと思う。
というのは、そこで私が尋ねたいのは、指圧を徹底的にやって自信を持っている入がそれで免許を受けられますか。
ほかの押すのやらマッサージはもう自分はとらない、指圧だけを徹底的に研究して堂々たる腕前を持っている人が指圧だけで免許をとれますか、実際問題として。

○政府委員(高田浩運君)
 免許の問題でございますと、やはり従来あん摩、はり、きゅうと同じように基礎的な解剖でありますとか、生理でありますとか、その上に総合的なあん摩理論も習い、それから今お話の指圧のことまで習うということで免許を受ける、そういうような形でいたしたいし、またそうすることが適当であるというふうに考えます。

○相馬助治君
 そんなことならあん摩と書きっぱなして、指圧だけ入れない方がまぎらわしくないのじゃないのですか。

○政府委員(高田浩運君)
 理論的にはそういうことも考えられますけれども、ただ世俗的に指圧というものはいかにも別個のもののようなことに考えられておりますし、それから従来取扱いとしても別建となっておりましたので、これをこういう取扱いをするからには、今御提出案申し上げているようにはっきり書いた方が疑義を生じなくてよろしい、そういうことをはっきりするために書くことをいたしたのでございます。

○相馬助治君
 ちょっと速記をやめて下さい。

○委員長(小林英三君)
 速記をとめて。
  〔速記中止〕

○委員長(小林英三君)
 速記を始めて。

○高野一夫君
 そこでただいま相馬委員のお話しもあったわけでありますが、先ほど一松元厚生大臣からも当時の経過を聞かせていただいたわけでありまして、それから高田次長からも、当時医務課長としての御折衝の経過も聞かしていただいた。
そこで当時の古いことを引っぱり出してもしようがないんだけれども、当時のいきさつがこの紛糾した問題を引き起しておる問題の遠因だと思いますので、もう一点その点伺っておきたいのでありますが、今度の政府原案によれば、きわめて簡単率直に、指圧なるものはあん摩と同じ業務の範疇に入る、こういう断案のもとにカッコの中に入れてある。
それが八年前に司令部に言われたときには、あん摩は入れてよろしい、はりは入れてよろしい、それからきゆうも認めよう、こういうときに、指圧も非常に多くあるんだが、何千人いるんだが、これはあん摩と同じ業務の範疇に入るということの折衝は何もなさなかったわけでありますが、その後いろいろ陳情とかあるいは研究の結果によって、ようやく指圧というものはやはりあん摩の業務に入れるべきものであろうという最近の解釈になったものであるかどうか、そのところをもう一ぺんはっきり伺いたい。

○政府委員(高田浩運君)
 先ほども申し上げましたが、その当時以前からあん摩、はり、きゆう、柔道整復というものについては、これははっきりした試験免許という形になっておりましたし、それから指圧はいわゆる療術の一部門として便宜取締りの対象ということで、その間も画然たる区別が実はあったわけでございます。
それでその当時早々の間でございますし、療術ということを一本で考える、問題を処理するというふうにすることが適当であると考えて、現在の法律のような形になっておったのであります。
その後検討いたしました結果、こういうカッコの中に入れて、あん摩の免許の一部としてやることが適当である、こういうふうに考えた次第でございます。

○榊原亨君
 私も一松元厚生大臣が当時この問題に触れられましたときに、衆議院議員をいたしておりまして、直接この法案にタッチをいたしたのであります。
大体この法案の中にあん摩とはどういうことをするものであるか、マッサージとはどういうことをするものであるかということが何も書いてないのであります。
そこでこの間違いが起ってきた。
従って今度はまた政府がここに指圧を入れるんだとおっしゃっても、その指圧というものはどういうものかということが全然わからぬ。
先ほどからいろいろ御議論になっておるように、みんなその点をいろいろやっておられるのでありますから、この際政府はあん摩とはどういうものであるか、マッサージとはどういうものだ、指圧はどういうものであるかということを、定義なり何なりというものをはっきり今出せなければこの次まででもこっこうでありますが、何かそういうものが出てからこれを議論しませんと、何回やってもこの議論は済まないと思うのでありますから、どうか委員長においてその資料なり何なり――政府は今お答えができればお答えして下さい。

○阿具根登君
 関連。
今の榊原委員の質問に賛成ですが、それとあわせて、八年間も余裕をいただいて、あらゆる科学的な私は検査をされたと思う。
そうすればそのときの光線なり電気なりの療法は人体にいいのであるか悪いのであるかという結論が出ておるはずと思います。
悪いのであるからこういうことは認めないということになっておるなら、あと三年間もなぜ黙って見過すのか。
悪いということを考えておりながら人間の生命を左右するようなこういう治療をなぜ三年間も延ばさなければできないのか。
また悪いのでないというならば、なぜこれの治療を認めないようにするのであるか。
そういう点も科学的な今までの八年間の研究の結果があると思うので、それもあわせて資料としてこの次までに御提出願いたい。

○竹中勝男君
 さらに榊原委員、阿具根委員のもう少し根本の問題ですが、あん摩、はり、きゆう師あるいは柔道整復師、あるいはその他の療術と呼ばれておるものは、ここにお医者さんもおられますが、一体医療行為の中の治療なのですか。
一体これは医療行為というふうに厚生省は解釈されておられるのですか。
医療行為であるならば、これは医療の中の医師とは独立にやるところの治療行為というふうに解釈されておるのですか。その根本の点を私わからないのですが、医療行為なのかどうかをはっきりお答え願いたい。

○相馬助治君
 議事進行。
榊原委員、阿具根委員、竹中委員の質問は、根本的なことでそれが明示されない限りにおいて、この法律を私は審議する自信を持てない。
従って榊原委員等が次でもいいということをおっしゃったのですが、数字等をあげて説明する必要のあるものは次でもいいが、きょう答えられるものは、次長でまずかったら事務当局の課長でもだれでも出てもらって、はっきり定義的なものを一つ明示してほしいと思う。
そうでないと法案審議になりません。

○政府委員(高田浩運君)
 とりあえずお答え申し上げたいと思います。
あん摩、マッサージ等は手をもって皮膚の表面からいわゆる神経点を加圧いたしまして、神経なかんずく自律神経系を興奮せしめて生体反応を求める施術を言うと考えておりますが、それでいわゆる手としてあるいは押したり引いたり、あるいはもんだり、なでたり、さすったり、たたいたりするといういろいろの行為、あるいはそれらの複合というものがあるわけでございますが、指圧と申しますのは、そういったものの主として押す行為に該当する、そういうふうに考えております。

 それから次に、電気でありますとか光線についてのお話でございますが、これは実はこの問題につきましては、いわばこういう格好での問題として起りましたのは終戦以後でございますが、問題としてはずっと前からあった問題でございまして、非常にむずかしい問題の一つとされておったのであります。
で、お話の電気、光線等につきましては、これは検討いたしました結果、相当弊害もあるように承知をいたしております。
根本的にはこういったことはやはり医師のやるべき行為であり、医師以外の者が独立をして、あるいはあん摩師あるいははり師等がやっていると同じような格好で独立をしてやるのは適しないものであると考えております。
お話のようにこれは医療政策の根本からいいますれば、その本筋に戻すことが適当であろうかと思いますけれども、従来長い間こういう格好で参りましたし、まあ三年間の猶予を置いてということを中心に考えて御提案申し上げた次第であります。

 それから最後の医療行為なりやいなやという御質問は、これは大変むずかしい問題でございますが、と申しますのは、いわゆる医業に属するということになれば、これは医師法違反になるじゃないかということになるわけでございますが、実際問題としては、その医業というものがしからば何であるか、先ほど定義云々というお話しがございましたけれども、これがその先人が非常に苦心をされて努力をされておりますけれども、結局具体的な問題になるというと、個々の場合にこれを判断しなければならない部面も残って、根本的に二、二が四というように割り切った議論になりかねないのが率直に申し上げる実情でございます。
そういう意味においてここにいわゆるあいまいと申しますか、そういった部面というものが出てきて、こういった問題が出てくる一つの素因もあろうかと思いますけれども、医師法によって取締っていない限りにおいてはこれは医業ではないということを言わざるを得ないわけでございますが、しかし、実際問題としては人間の病気というものをみて、これに対する一つの手当をする、施術をするということになれば、これはやはり言い逃れは別としまして、率直に言えば医療行為の一種という見方も成り立ち得るかと思います。
その辺大へんむずかしい問題ですっきりしたお答えができないのは残念でございますが、端的に申し上げましてそういうことであります。

○委員長(小林英三君)
 榊原委員にお伺いいたしますが、あなたの先ほどの質問の定義云々については今の程度でよろしゅうございますか。

○榊原亨君
 わかりません。今おっしゃった定義を印刷したものをこの次までに一つ見せていただきたいと思います。

○相馬助治君
 榊原委員の質問について、榊原委員はお医者さんですから、今の簡単な答弁でもおわかりになったけれども、私はわかりません。
それはあん摩さんに聞きますと、次長さんはマッサージというものはあん摩の一種類だと言っておる。
そういう表現はしないけれども、マッサージというものはわれわれより下である、一部分をやっておるという表現をしておる。
ところがマッサージをやっている人に聞きますと、御承知のようにあん摩というのは中心から下にやっていくのである、われわれは手の先から、足の先から中心部に押し上げていくのである。
あん摩というのは旧式なんでマッサージというのは近代的科学に一歩近いのである、われわれが高いのだという説明をしておる。
私はどっちがどっちだかわからない。これはこの法律を見ると、マッサージというのはまさにあん摩の中の一種類のように見ておりますが、厚生省はあん摩とマッサージとの区別はどういうふうに考えておりますか。

○政府委員(高田浩運君)
 大へんデリケートな御質問でございますが、私どもの承知いたしております範囲では、いわゆるあん摩というのは東洋医学、いわゆる経穴の理論を基本として発達した一つの施術の方法だと考えております。
一方マッサージば西洋医学の流れにのって発達した一つの施術の方法である。
そういう意味においてただいまお話のありましたように、実際の施術のやり方については、その発達の過程においてはそれぞれ多少の径庭があったということは事実でおります。
しかし、だんだん切磋琢磨いたしまして、実際の具体的なやり方においては両者がきわめて近接をしてきているということは、事実だと考えております。

○竹中勝男君
 今医務局次長のお話では、あん摩、はり、きゆう、こういう治療業務は神経を何と申しますか、今の言葉では刺激することによって、治療を行う一つの医術だというふうに解釈されたわけですが、そうすると神経治療の一種だというふうな解釈がつくわけなんですね。
これは医者の補助であるというならわかるわけですが、神経の医者の指示を得て治療に当るのがあん摩であるというふうになれば、これは理論的にも医療行為の補助者となるわけですけれども、ところがこれは全然医者との関係なしにあん摩師、はり師、きゅう師というものは自分で診断もやり治療もやり、ただ投薬はやらない、診断、治療をやる。
また補助者でなくても独立の医療者であると解釈していいわけですか。

○政府委員(高田浩運君)
 根本的に申し上げれば、先ほど申し上げましたように、こういったいわゆる疾病とかあるいは健康とかに関係する業務はやはり医師程度の素養をもった人間にやらせることが適当であると思いますし、従ってこういった人たちは、それらの医師の補助者としてやっていくということが、これは医療のあるべき姿という点からいたしますと、これが本来の姿であろうかと思います。
ただあん摩でありますとか、あるいははり、きゆうでありますとか、何百年、あるいは人によりましては何千年と言う人もございますが、古くから日本にあります一つの方法であるし、しかもこれらの療法の限界というものは、あん摩、はり、きゆう、それらの姿というものについては大体みんなまあ理解をしていると申しますか、長い間の伝統によりまして社会常識的に一つの姿というものが成り立っている。
そういうような意味合いにおいて、医師ではなくともある程度の素養を持って免許を受けたからには治療をやらせる。
そういうことのような制度になっていると理解いたしているのでございますが、そういう意味において今御引例のたとえば薬品の投用とか、あるいは外科手術とかそういったことについては、これはやれないことになっておりますし、それから診断ということになりますと、これは非常にデリケートな問題でございますけれども、大体診断行為はやらないという建前にはなっておりますけれども、その辺どこまでが診断であり、どこまでが治療であるかということの限界もなかなかこれは一がいには言えないので多少の疑義もあるかと思いますが、根本的には今申し上げましたような趣旨で考えております。

○高野一夫君
 私は質疑を行いたいと思いましたが、本日は時間がありませんから次回に譲りたいと思いますが、一つだけ資料を要求いたします。
それはあん摩の免許を取るためにどういう学校で勉強するのか、いわゆる基礎学の方と実地の方と、それから試験を受けるときにはどういう試験を受けるかということを、これはきまりがあるだろうと思うが、それを一つがり版にでも刷ってお配りを願います。
おうして政府原案によると、マッサージをやる場合にも指圧をやる場合にもあん摩の免許を受けるのだ、あん摩と同じ試験を受けるのだということになっているので、果してあん摩と同じ試験を受けてマッサージもやり指圧もやらなければならないものであるかということが一つの問題点だろうと思います。
そういう点を検討したいためにその資料を近いうちに御提出を願います。

○政府委員(高田浩運君)
 今お話の資料は別に提出いたしますが、試験に関連いたしまして御提出申し上げております資料の二十九ページに、科目等が書いてございます。

○阿具根登君
 私も、資料がなかったならばそれでいいのですけれども、先ほど言いました電波、光線等でこれが逆作用をしてかえって悪くなったとか、あるいは生命の危機に瀕したというような事例があったら、そういうものを相当研究されておると思いますから、資料として提出していただきたい。
それによって三年間と、この前の八年間の問題で政府に対して私は質問をいたしたいと思います。

○横山フク君
 先ほど一松さんは、八年の間に玉石混淆をえり分けるのだと、次長はそれもあるだろうけれども。その間に転業するものは転業させる、そういう形で八年間という猶予期間を置いたものだと、今度八年間たって玉石混淆の意味では阿具根さんからも御質問等があったのですが、転廃業等で八年の間に実際減っているのでしょうか、あるいはその当時その中に入っていなかった、規則の中には該当しなかったけれども、その後に事実上実際に活動しているものがあるのじゃないか、今回この指圧がこの法律の中に入ることになっておりますが、八年前にはこれは入っていなかった。
しかし八年後の今日においては指圧は相当のものがあります。
そうして学校も道にはっきりと学校の看板を出してやっておる。
そうして実際に営業している人が相当あるのです。
電波、光線等についてもおそらくそういうものがあるのじゃないか、今後三年間延ばして、その三年の間に全面的にいけないということは憲法の問題が出るのです。
そうすると三年間それはどういう形なのか、ここら辺非常に疑問があるわけですが、八年間の間の数の移動等について。

○政府委員(高田浩運君)
 私が先ほど一松大臣のあとに申し上げましたのは、速記録に基いて申し上げたわけであります。

 それから数の関係でございますが、その当時約一万四千三百の人たちがおります。今日それが約一万二千九百という数字になっております。

 それからもう一つちょっと申し落しましたが、そのほかに正規に届け出たほかにやっておる疑いはないかというお話でございますけれども、その点はこれはあり得べからざることでございますけれども、しかしながら現実の姿としては取締りの手の不徹底等にもよりまして、そういう人たちが絶無であるということは断言いたしかねますが、これらにつきましては今後取締り等について十分努めたいと思います。

○竹中勝男君
 もう一つ資料をついでにお願いしたいのですが、盲学校が相当日本では重要な盲人の職業教育をやっておられる。
それで現在のこういうあん摩、はり、きゆうの中でそういう身体障害者の方々が占められる比率ですね、これは重要な身体障害者の職業の保障になると思いますので、資料がありましたら教えて下さい。

○政府委員(高田浩運君)
 二十八年末におきまして、あん摩、はり、きゆう等に従事されております方が約六万九千でございます。
そのうち自の見えない方が約三万六千八百と御承知を願います。

○委員長(小林英三君)
 皆さんにお諮りいたしますが、本問題に関しましての本日の質疑はこの程度にいたしまして、次回以後に譲りたいと思いますが御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田村文吉君
 恐れ入りますが、明日の審議の参考になりますように、今の定義を示していただいたのを印刷にしていただく、と同時にその中に、いわゆる類似行為の中にいろいろな名称がありますね、光線療法とか、あれは一体どういうようなことをやっているものかということのわからんのが中に一、二あるのでございますが、そういうものも一つおわかりになっていると思いますけれども、明日お知らせ願いたいと思います。

○委員長(小林英三君)
 明日の午前中、正午ごろまでに。

 それではこの問題は次回以後に質疑を譲りたいと思います。

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○委員長(小林英三君)
 なおこの際に、小委員会設置に関しましてお諮りいたしたいと存じます。

 本委員会におきまして調査中の社会保障制度に関する調査の中で、そ族、昆虫類駆除に関する問題につきましては、ただいま会期も切迫いたしておりまする関係から、この際便宜上小委員会を設けまして調査をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小林英三君)
 つきましては、小委員の数及び人選はいかように取り計らいましょうか。

○高野一夫君
 数並びに委員の任命については、委員長に一任いたします。

○委員長(小林英三君)
 ただいまの高野君の御動議に御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小林英三君)
 御異議ないと認めます。

 それでは小委員の数は七名といたしまして、私から指名を申し上げます。

   高野 一夫君  榊原  亮君
   森田 義衛君  河合 義一君
   相馬 助治君  有馬 英二君
   長谷部ひろ君

 以上の方にお願いを申し上げます。

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○委員長(小林英三君)
 なお、恩給法の一部改正法律案につきましては、連合審査会は内閣委員会と明日午前十時から開くことになっておりまするから、御出席を願いたいと思います。明日は当委員会は午後一時から開会いたします。

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○相馬助治君
 今ちょっと席をはずしておって恐縮でしたが、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法の一部改正については、私はこの種関係の業者のその生活権にまで及ぶところの重大な法案だと思うのです。
従いまして、参議院先議をもって議せられておりまするから、この際関係者の意見を徴してこの法案審議に万全を期すべきだと私は存じます。
従いまして、委員長理事全等におきまして、参考人の意見を聴取する機会を与えられんことを本員は特に希望いたしておきます。

○委員長(小林英三君)
 ただいま相馬君からお聞きの通り御意見がございましたが、御異議ございませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(小林英三君)
 御異議がないようでございまするから、適当な機会に委員長理事打合会をいたしまして、この問題は処理いたしたいと思います。

 本日は、これにて散会いたします。

   午後四時三十分散会

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