藕絲(ぐうし、はすいと)(をしへ)

經脉に孫絡(そんらく)など云て、(すぢ)(こつ、ほね)皮肉(ひにく、かはしし)の間にたとへば藕絲(ぐうし、はすいと)絲瓜(しくは、へちま)等の如く、縦横(じうわう、たてよこ)(すぢ)あつて、氣血の通路也。
閉結(とぢむすぼ)れ、万病を生す。

手に覚へ(あつかひ)(とく)を第一の(ならひ)とす。
(くはしく)本文に見えたり。


分肉解結(ふんにくかいけつ、にくをわけむすほれをとく)(をしへ)

肉の中に分理(ふんり)て隙(ひま)あり。
幾重にも分かるる也。
是を(たい)と云ふ。

譬へは蜜柑(みつかん)などの類をみるに皮肉(ひにく)(さね)の中ち、皆分理あるが如く、又魚鳥(きょてう、うをとり)の肉なとを(さき)見へし、一片一片に(わか)るるにて知るへし。
其の中に藕絲あり。
浮絡(ふらく)孫絡(そんらく)など云是也。

藕絲むすぼれ肉(とつる)事あり。
内経(だいきやう)巻肉(けんにく)縮筋(しゅくきん)など云り。
其の肉を扱ひ療すること、結たる(いと)(とく)が如くわけさばくを分肉の術と云。

藕絲まとひ結れたるをとくは、毛氈(もうせん)(かいこ)のまいなどを(とく)か如する手法あり。
是れ解結の術也。

又経筋むすぼれよるる事有り。
元結(もとゆひ)などいく筋もつかね(あは)せたる如く、(かた)まりたるは、指を其の間に入れ分る也。

又一筋づつ解くこともあり。

又動し(ちら)すやうにもする。
麻などを振とけば悉くさばくる心也。

或は前後左右(せんこさゆう、まへうしろひたりみき)経肉(けいにく)の順逆に随ひくつろけ(とく)可し。
(ここ)(かき)の一方を見ると云(ならひ)あり。


胸腹の訓 附任脈


缺盆骨(けつぼんこつ)より手を當て、任脉通り璇璣(せんき)天突(てんとつ)を越し左の腋下(えきか、わきのした)に至る。(數片()つ)
()の上膺窓(ようそう)の位より手を當て、膻中(だんちゅう)の上玉堂(ぎょくどう)の位を越し摩て、左膺窓を越して()つ。
右の(あばら)食竇(しょくとう)より手を當て、中庭を越し左(あはら)食竇を越し摩つ。
肋下(あばらした)腹哀(ふくあい)を越して肉を分る。
右の章門(しやうもん)に手を當て、任脈通り中脘を越し章門を越し(せなか)にまわる程(さすつ)て肉を分る。
右の帯脉(たいみやく)より手を當て、水分(すいぶん)を越し左の帯脉を摩越(まえつ)す。
五樞(ごすう)の位腰骨(ようこつ)にかかり手を當て、天樞(てんすう)を越し左の五樞を摩越す。
腰骨の前、右の維道(ゆいどう)の所手をあて、(ほぞ)の下氣海(きかい)石門(せきもん)、左の維道(ゆいどう)を越し膏肉(こうにく)腰眼(ようかん)摩す。
環跳(くはんてう)より手をかけ、関元(かんげん)中極(ちうきよく)を越し左の居髎(きよりやう)環跳(くはんてう)を越し摩る。

横骨に所作(しょさ)有り。
或いは(かは)るに腿骨(たいこつ)輔骨(ほこつ)を動かし、陰器をくつろぐるも良し。

任脉は一身の根本(こんぼん、ねもと)なり。
大食(たいしよく、をほのくらひ)過飲(くはしゆ、さけをすごす)何れも剛剤(こうさい、つよひくすり)など多く用い、或いは幼少の時早く()を離れし(めし)多食(たしよく、ををくくらひ)するに依り任脉の(すぢ)弓の(つる)などの如くあらはるるなり。
根本の虚し邪氣の實するなり。
(すぢ)に指を掛け(いんす)すへし。
喉嚨(こうろう)より鳩尾(きうび、はなをち)横骨(わうこつ、よこほね)まで所作(しょさ)有り。

また煉金丹の術(れんきんたんのじゆつ)と云うあり。
(しりへ)に見えたり。
究めて奇妙なり。
常に修すれば(はら)實強(じつゆう、つよく)になりて萬病ことごとく治す。
修法(しゆのはう)本文の如し。

任脉腸胃を扱うに縦に掛け横にも掛け、下よりも上よりも掛け、すぢかいにも掛ける。
實症(じつしやう)は腹わきへ張り出つるなり。
故に任脉を左右に分け、兩傍(りやうほう)へはり出だすやうに扱うへし。



 
 
 

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