162-衆-厚生労働委員会-22号 平成17年05月17日


○山口(富)委員
 続きまして、笹川参考人に二点まとめてお尋ねいたします。
 第一点目は、視覚障害者への就労支援の問題なんですけれども、御意見の中で、介助者の助成制度は十年で廃止という、今度出ております。皆さん方はこれをヒューマンアシスタント制度ともお呼びになっていますけれども。
私は、これを廃止するというのはちょっと信じがたいんですけれども、つまり許されない方向だと思うんですね。
今、視覚障害者にとって必要な就労支援というものはどういうものがあるのか、これを一点、お尋ねしたいんです。
 それからもう一点は、障害の程度区分の問題なんですけれども、今度、モデル事業を今やっと始めたんですね。介護保険でも一年がかりでモデル事業をやって新しい制度ということなのに、障害者の分野の場合は、法案を出してからモデル事業という本当にひどい話なんですが、笹川さんは障害者部会にも参加されていますのでお尋ねしますけれども、社会保障審議会の障害者部会では、障害程度の区分についてきっちりした議論をやっていたのか、いなかったのか。
 この二つ、お答えください。

○笹川参考人
 まず、就労の問題ですけれども、これは平成十三年の実態調査によりますと、視覚障害者の就業率は二三・九%ということになっております。
大変低い就業率です。
特に問題なのは、一般企業への就労というのが極めて困難だということでございます。
したがって、先ほども申し上げましたけれども、ほとんどの視覚障害者で自立している者は、伝統的なはり、きゅう、マッサージに就業をしております。
 しかし、このはり、きゅう、マッサージの分野におきましても、今は大変厳しい状況に置かれています。
特に、はり師、きゅう師の養成施設問題につきましては、憲法上の問題という、我々からすれば納得できない理由で無制限に養成施設が今できております。
また、マッサージ分野におきましても、いわゆる無資格者が激増いたしまして、実際に、三年間、高校を出てから勉強し、国家試験を受けて免許を取得して開業している者の生活を著しく圧迫しております。
 そういう中で、特に最近大きな問題になってきたのは、日本とタイとの自由貿易協定の項目の中に、タイ式マッサージあるいはタイ式スパ、こういったものを導入しようという動きがあります。
もしこれを導入するといたしましたら、さらに視覚障害者の自立の道は厳しくなります。
場合によったら閉ざされるかもしれない、そういう危機的状況に今置かれております。
 一方、それ以外の職種の開発が可能かと申しますと、これは大変厳しい状況でございます。
最近は、コンピューター分野に進出する者もおりますけれども、それは本当に限られた数でしかない。
例えば、この三月に卒業した者の就業状況を見ますと、はり、きゅう、マッサージの国家試験にチャレンジした者は約六百人、それに対して、コンピューター関係の分野で就業を求めた者は十数名にしかすぎません。
やはり、一般企業で我々視覚障害者が働くということはそれぐらいに難しい。
 そのために、重度の障害者に対する介助者制度があるわけですけれども、これが年限が限られて、十年たったら適用しないというようなことでは、もうそこで退職しなきゃならないというようなことになってしまうわけで、この辺をやはり十分対応していただく、つまり適用年数を延長する。
 ドイツの例を取り上げますと、ドイツでは、いわゆる司法関係に進んでいる視覚障害者がかなりあります。
日本とは比較になりません。そういう判事ですとか弁護士に対してはきちっとアシスタント制度があって十分に活動している、そういったことも、実例がございますので、ぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。
 それから、今度は障害区分ですけれども、これは先ほどから何度も申し上げておりますとおり、本当に身体あるいは知的、精神障害のある者の適切な評価ができるかどうか、これが問題です。
 何だか火事場に間に合わせるために調査をするみたいな、わずか六十一市町村で、しかも一市町村三十名、これだけの数でデータを出す。
身体障害者の場合十名ということになっておりますけれども、身体障害者の中で視覚障害者が占める割合は一〇%です。
したがって、十人のうち一人が対象になったとしても、その視覚障害者も一級から六級までありますから、どういう人が対象になるかわからない。
それをコンピューターにかけてはじき出す。
これでは、余りにも実態を無視したやり方だというふうに考えておりますので、私たちは、今厚生労働省に対してもこの点については改善を求めております。
 この障害程度区分の原案が示されたのは四月の二十六日の障害者部会でございます。

十分中身を検討するだけの時間の余裕はありません。
しかし、私どもの団体ではその資料を直ちに各団体に回しました。
そして、問題点を指摘してもらいましたけれども、加盟五十九団体の中で、すべての団体が、これでは正しい評価はできない。
拒否しろというような声さえ聞かれているのが現状でございます。
 以上です。


 
 
 

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