はじめに


インド・デカン高原にある国際学園都市プーナ。
そこに神秘家・OSHO(ラジニーシ)の「OSHOコミューン・インターナショナル」があります。

コミューンの中には古今東西の瞑想、現代の様々なセラピー、ボディーワーク、武道やアートなど、非常に多岐に渡ったプログラムを提供する、「 OSHOマルチバーシティ」があります。
今回ここにまとめた「チュアカ」は、その「OSHOマルチバーシティ」の数ある学部のうちのひとつ、「OSHOインターナショナル・アカデミー・フォー・ヒーリング・アーツ」で行なわれている各種ボディーワーク・ トレーニング・ コースで配布される資料を基に編集し 、1991年に発行した「Healing Magazine Special」(発行者/プル)に掲載したものです。
当時「 ヒーリング・アーツ」のコーディネーターであり、リバランシング・ トレーニングで「チュアカ」を指導していたアヌブッタの了承を受けた上での掲載でした。

資料は英文タイプ9ページのごく簡単なもので、日本語訳は友人の野口保(アループ)によるものです。
本文の最初の2ページはほとんど原文のまま。
それ以降の実際のマッサージのやり方については 、リバランシング・ トレーニングで受けた数日間の「チュアカ 」のクラスのおぼろげな記憶を頼りつつ、 野口保の協力を受け、プルがテキストとして表現しやすいように編集したオリジナルなものです。
ですから、 ここで紹介するのは「チュアカ」を行うためのひとつの提案程度に受け止めて下さい。

この原稿を書いていた当時、「チュアカ」の正式なクラスやグループはありませんでした。
ですが、 数年前OSHOコミューンに行った時、プルとリバランシング・ トレーニングで同期生だったイタリア人女性が「チュアカ」のグループをリードしていました。
で、その内容は知りません。(^^;
現在もグループが行われているかどうかも調べていません。(^^ゞ
興味のある方は、OSHO公式サイトのマルティバシティーのスケジュールを探してみて下さい。

また、以下の文章は掲載当時の十数年前の文章です。
相変わらず拙い文章ではあります。(^^;

Note (2003.7.16)


「Chua K'a」でネット検索していたら、「Psychologica Ltd」というところでChuaK'aのトレーニングを行っているのを見付けました。
そこでの記述によると、ChuaK'aとは、古代モンゴルに生まれ、それを「アリカ研究所」のオスカー・イチャーゾ氏が発展、開発したものだとのこと。

オスカー・イチャーゾ氏、アリカ研究所は、ある種の人々には馴染みのある名前ですが、一番有名なのは「エニアグラム性格論」の生みの親、というあたりでしょうか。
アリカ研究所では、呼吸法とボディワーク、ヨガ&仏教、瞑想テクニックなどの数多くのコースが提供され、イチャーゾ氏本人は既に第一線から退き、本人に代わって教授資格を取得した彼の弟子たちが、世界各地のトレーニングセンターで後進の指導に当たっているようです。

身体との対話


ここで紹介する「 チュアカ 」は「身体をすみずみまで触れ、感じる」をテーマに、初心者の人でも簡単にできるようにまとめたつもりです。

「チュアカ」はとても簡単で、誰でも気軽に始められる方法です。
動機や目的が何であれ、「チュアカ」はあなたをあなた自身に、そして瞑想の入り口へと導いていくことでしょう。

ぼくは様々な人に対して「チュアカ」をすすめたいと思います。
「もっと健康になりたい」「身体のコリや痛みをなくしたい」という人には優れたマッサージとして。
現在治療師やボディーワーカーである人、または将来なりたい人には身体をもっともっと理解するために。
「自分自身をもっと知りたい」という人にはひとつの瞑想法として。


「チュアカ」を行なっていると、身体の様々な箇所に蓄積されている精神的な苦痛や恐怖、様々な感情、または身体的な痛みなどが開放される可能性があります。
人によっては、それを「チュアカ」を行なっている最中に、実感として感じるかも知れません。
しかし多くの人にとって、 身体的な痛みは別として、精神的な苦痛や恐怖、感情が開放されていくのは、実感どころか想像することさえ難しいかも知れません。

まずは何気ない感覚、当たり前の感覚に注意を向けてみて下さい。

触れている手の暖かさ。
その暖かさはその部分だけで感じるでしょうか。

からだの奥深くに浸透したり、他の部分に流れて行ったりしませんか。

暖かさを感じながら、どんな気分になりますか。
ホッとするような、やさしい感じ。
何かに包まれている感じ。

自分のからだが愛しく感じるかもしれません。
何かを思い出して、なつかしく感じたりしませんか。

固く緊張していて、痛い部分がありますか。
痛いのはそこだけですか。
どこかにひびいたりしませんか。
それはどんな痛みでしょう。
イライラするような痛み、悲しくなるような痛み。
「イタイ」と言うとしたらどんな口調、表現になりるでしょうか。
その痛みと共に、何か思い出しましたか。


最初はこんな問いかけをしながらやってみるといいかも知れません。
もちろん、慣れて来たらその瞬間に感じるもの、浮上してくるものすべてを味わってみて下さい。
手の暖かさやマッサージの気持ちよさ、痛みは誰にでも感じられるものです。
後はそれと共に気分や雰囲気、イメージにも意識を向けてみましょう。
少しずつコツがつかめて来ます。

日常生活への影響


身体の様々な箇所に蓄積された精神的苦痛、 恐怖、 様々な感情や肉体的な痛み。
もし日常生活の中で、これらの感情や痛みを刺激する出来事が起こった場合、どのような事が起こるのでしょう。
本人にとって、これらの感情や痛みは、そもそも肉体の中に封印しなくてはならない程感じたくない、受け入れたくないものです。
ですから、無意識にそういった状況全体を避けようとします。

おそらく不愉快に思ったり、イライラしたり、怒りだしたり。
または本来ある感情をごまかすために、偽りの感情で逃避するかも知れません。
とにかく様々なテクニックを駆使して(無意識にですが)、直面するのを避けます。
肉体の中に封印された、これらの感情や痛みを刺激する出来事すべては、本人にとって「嫌な出来事」で片付けられ、刺激された感情や痛みも、単に「嫌な思い」で片付けられてしまいがちです。
いつになっても、閉じ込められたエネルギー(感情や痛み)はそこにあり、いつになっても「嫌な」ことは繰り返します。
まるで業(カルマ)のように。

ブレス・セラピーやボディーワークを受け始めると、日常生活が変化し始めます。
肉体の中に封印されていたエネルギーが開放されると、 「嫌な出来事」「嫌な思い」も開放されていきます。
それらは、もはや単に「嫌な」ことではなく、もっとダイレクトな、生き生きとした感情や痛みになっているでしょう。
ひょっとしたら、 今まで絶対に遭遇したくなかったような出来事が、いきなり現われて来るかも知れません。
または感情の波が激しくなるかも知れません。

それは自分自身の内側( 身体感覚、 感情など )から起こるかも知れませんし、自分の外側、周囲から起こって来る(様々な事件)かも知れません。
ともかく、硬直化していた生全体が生き生きと躍動し始めます。

「チュアカ」を始めると、これと同様なことが起こり始めるかも知れません。
おそらくブレス・セラピーやボディーワークを受けるより、もっと穏やかな形で現われるでしょう。
何が起こって来たとしても、「チュアカ」をしている時と同じように、ゆったりと呼吸しながら味わってみて下さい。

苦痛や恐怖、痛みは出来るだけ避けたいものではあります。
ですが、それらの感情、感覚を避ける、遮断しようとすることは、同時に歓びや楽しさ、気持ちよさをも避け、遮断することにもなるのです。
苦痛や恐怖を受け入れられた時、そこに大きな自由が生まれます。

「チュアカ 」の探求の旅を始めた時、自分自身の身体 ( 感覚、感情、気分、雰囲気)に気づき始めた時、それは自分自身への新たな一歩となることでしょう。

以下は、ぼくの師匠、OSHOの言葉です。

夜は昼と同じだけ必要だ。
そして悲しい日々は、幸せな日々と同じだけ欠くことができない。

これを私は理解と呼ぶ。

そして少しずつ生のリズム、二元性のリズム、両極性のリズムを知るにつれ、
あなたは求めること、選ぶことをやめるようになる。

あなたは秘密を見いだしたのだ!

その秘密と共に生きなさい。
するとあなたは突然驚くだろう。
生の祝福はなんと偉大なのだろう! 
一瞬一瞬、いかに多くのものがあなたに注がれていることだろう!

だがあなたは自分の期待の中で、
小さな取るに足らない欲望の中で生きてきた。
そして、ものごとがあなたの欲望にかなわずに惨めだった。

あなたがものごとの本質に従うならば、
どのような影も投げかけられはしない。

その時悲しみでさえもひかり輝く。
悲しみがやって来ないというのではない … それはやって来る 
… しかしそれはあなたの敵ではない。

あなたはそれと友だちになる。
なぜならその必要性を理解しているから。

あなたはその優美さを見、なぜそれがあり、なぜ必要なのかを理解する。
そしてそれがなければ、あなたは豊かではなく、より貧しくなる。

           (OSHO「The Perfect Master」より) 


始める準備


基本的にオイルを使用しますが、マッサージ・オイルに限らず、乳液など手近にあるもので初めてみましょう。
ちなみに筆者(プル)は、衣服の上から行うのが好きです。
いつでも、どこでも、気が向いた時に出来ますから。

チュアカを始める前に、まず以下のことに留意してください。

  • チュアカは、今まであなたが考えていたマッサージとは根本的に異なるのだということを心に留めておいて下さい。
  • チュアカの目的は治療や矯正、凝りや緊張をほぐすことではありません。
    また、チュアカで何かが達成出来る訳でもありません。
  • からだに対して「何かをする」のではなく、からだに耳を傾けてみましょう
    充分に感じ、味わい、再び自分のからだと出会ってみましょう。
  • チュアカを行っている間、呼吸はとても重要です。
    ゆったりとリラックスした呼吸を続けましょう
    もし、呼吸を詰めたままマッサージをしている自分に気付いたら、一度深〜く気持ちよく息を吸い込んで、全身の力が抜けるように息を吐く、そんな深呼吸をしてみましょう。
    深刻にならず、くつろいで。
    そして呼吸に留意して……

ここで示すチュアカの方法は、あくまでひとつの提案に過ぎません。
自分自身の感覚、味わい、手への信頼が最も大切です。
森の中を探索するように、からだを<カツ>と共に散歩してみましょう。
あなたの手が、<カツ>が導くままに、あなただけのチュアカを創造して下さい。

足から順に、全身に渡って継続的に行うのが理想的ではあります。
ですが、同じパートを繰り返し行うのも、チュアカを深めていく道です。
実際チュアカには終わりがありません。
また、自分の手や<カツ>、直観への信頼が育つにつれ、このテキストでカバーしていない身体部位へのチュアカも、ごく自然に行うことが出来るようになります。

では実際に試してみましょう!
くつろいで、受容的に。

そう、呼吸を忘れずに!


 
 
 

hisanoyu dharmaya secondlife

トップ   差分 バックアップ リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS